ジョンソンバルブについて

Larner Johnson (balanced needle) valve

ジョンソンバルブの構造(水圧に拠り動作するタイプ)

ジョンソンバルブ水平カットモデル
ジョンソンバルブの水平カットモデルイメージ
判り易くする為着色してあります。

ジョンソンバルブの弁体を取り出し、ケーシングと共に水平カットしたイメージです。
実物のジョンソンバルブとは若干異なる部分もあります。
また、水圧ではなく機械力によって動作させるタイプもあります。
(用語が不正確な部分もあるかもしれませんがご了承ください)


固定弁体
可動弁体が収納され、開放及び閉鎖時に水が満たされる部分です。
可動弁体(ニードル)
固定弁体に満たされた水の力に依って可動し(図では左上−右下方向)、水を遮ります。
閉鎖用注水口
こちらに水を注入することにより可動弁体が迫り出しバルブは閉鎖となります。
開放時はこちらより排水されます。
開放用注水口
こちらに水を注入することにより可動弁体が引っ込みバルブは開放となります。
閉鎖時はこちらより排水されます。
弁箱(ケーシング)
弁体を支えると同時に水を流すための箱です。
流入口
こちらより水が流入します。
流出口
こちらより水が流出します。
固定弁体支持ステー
弁箱及び固定弁体に接合され、固定弁体を弁箱の中心に固定するための金具です。
可動弁体摺動レール
弁箱側のみ接合され、可動弁体を弁箱の中心に保持しつつ摺動させる(図では左上−右下方向)ための金具です。
弁座
迫り出してきた可動弁体を受け止め密着させて止水する部分です。
(図では可動弁体とケーシングが直に密着するように描かれていますが実際は金具が設けられます)

ジョンソンバルブに於ける水の流れ

ジョンソンバルブ開放カットイメージ
ジョンソンバルブ開放時のカットイメージ
判り易くする為着色してあります。

バルブ開放時にはシアン色の部分(可動弁体)が引っ込み流路が開き、矢印の通りに水が流れます。


ジョンソンバルブ開放後方イメージ
ジョンソンバルブ開放時の後方から見たイメージ
判り易くする為着色してあります。

開放時の様子を後方(流出側)より見るとこんな感じです。
ゴールドの板状の部分(手前の方)の縁を可動弁体が摺動します。


ジョンソンバルブ閉鎖カットイメージ
ジョンソンバルブ閉鎖時のカットイメージ
判り易くする為着色してあります。

バルブ閉鎖時にはシアン色の部分(可動弁体)がせり出し、ケーシング(弁箱)の受け部分(弁座)に密着することにより流路が閉じます。


ジョンソンバルブ閉鎖後方イメージ
ジョンソンバルブ閉鎖時の後方から見たイメージ
判り易くする為着色してあります。

閉鎖時の様子を後方(流出側)より見るとこんな感じです。
可動弁体がケーシングの弁座部分まで迫り出し密着しています。

ジョンソンバルブの動作(水圧に拠り動作するタイプ)

ジョンソンバルブカットモデル動作イメージ
ジョンソンバルブのカットモデルによる動作イメージ
判り易くする為着色してあります。

動作イメージはこのようになります。
水圧が弁体の開閉に抵抗する力として作用しにくい(balanced needleと名付けられているのはこのため)点に加え、
水(動作に必要な圧力)を水圧鉄管より取る事により制御用の動力を非常に小さく出来ますが
逆に水圧が掛かっていない状態でバルブを開閉するには別途圧力源を設けるか水圧以外で動かす手段が必要です。
また、通常時より水圧ではなく機械力により動作させるタイプもあります。

赤色のパイプより水を注入すると(赤矢印で表示)バルブは閉鎖動作を行います。
青色のパイプより水を注入すると(青矢印で表示)バルブは開放動作を行います。

ジョンソンバルブの歴史的経緯

英国の技師、ラーナー・ジョンソン[Larner Johnson]氏によって考案されたバルブです。
手間のかかる造りのためか現在ではほとんど使用されていないようです。

英国旧ヨークシャー州に在ったブレーキボロー社[J. Blakeborough and Sons, Ltd.,]によって製造されていました。
その後、ブレーキボロー社は英国ホプキンソンズ社[Hopkinsons Ltd.,]に吸収合併されたようですが、そのホプキンソンズ社も現在は存在しないようです。
[Larner Johnson]の商標は現在、英国ウェストヨークシャー州に在るバルブメーカーのブラックホールエンジニアリング社[Blackhall Engineering Ltd.,]が所有しています。



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