発変電、送配電に関する用語

強電用に説明してあるため、一般的な意味と異なる場合があります。

用語 説明 関連する用語
ア行
アーク
arc
電流の流れている部分を切り離そうとする力に逆らって電流が流れつづけようとして発生する放電。
回路の遮断や絶縁破壊によって生じる。
身近なところでは電気溶接機などに応用されているが、
強電の世界では厄介モノ。
関連語:点弧、消弧
アークホーン
arc-horn
放電したときに碍子表面や電線から直接放電すると、碍子を破損したり電線を切断する
恐れがあるので、安全に放電させるために設けられた金具。
ホーン(角)の名の通り角状の物が多いが超高圧線では丸みを帯びた形状をしている。
シールドリングとしての役割を果たす場合もある。
大気(湿度や塩分等)に左右される分、避雷器より動作は不確実だが、
大電流に耐えられ、耐久性も高く、コンパクトで碍子と一緒に取りつけられるので
ほぼ全ての鉄塔の碍子に取りつけられている。
関連語:誘導雷、避雷器
カ行
碍子
insulator
電気を絶縁するための支持物。
絶縁させるための部分には一般的に陶磁器、他にシリコーンゴム、稀にガラスなどが用いられる事も有る。
 
架空地線
(overhead) ground-wire
架空送電線の直撃雷及び誘導雷を防ぐために架空送電線や変電設備の
上方に設けられる電線。一般に接地され鋼亜鉛めっき線が多く用いられる。
直撃雷の場合、保護範囲(遮蔽角)は架空地線鉛直下左右45度程度とするが
超高圧線の場合、遮蔽角をほぼ0度又はマイナス角度とし
架空地線の直下又は内側に送電線が来るように2条架線されることがほとんどである。
誘導雷の場合、架空地線と送電線との間の静電容量によって急峻な誘導電圧波形を抑える。
また、通常、大地電位のため絶縁の必要が無いことから架空地線の芯に
光ファイバーを入れ、通信に用いるOPGWというケーブルも多く用いられている。
関連語:直撃雷、誘導雷
ガス絶縁開閉器
gas-insulated-switchgear
SF6(6フッ化硫黄)ガスを絶縁材に使用した開閉器。
大電流遮断特性は考慮されていない。
SF6ガスは絶縁性能や消弧能力が高く、さらに不燃性であるため広く用いられている。
 
ガス絶縁遮断器
gas-insulated-circuit-breaker
SF6(6フッ化硫黄)ガスを絶縁材に使用した遮断器。
異常時の大電流を確実に遮断できる。
SF6ガスは絶縁性能や消弧能力が高く、さらに不燃性であるため広く用いられている。
 
ガス絶縁変電所
gas-insulated-substation
密閉型の金属筐体の中に、母線や、断路器、遮断器、変成器等を組み込み、SF6(6弗化硫黄)ガスを絶縁材に使用した変電所。
SF6ガスの絶縁性能を活かしてコンパクトに出来るのと、
充電部分が露出しないので安全だが、コスト高なのが難点。
対義語:オープンサイト変電所
気中開閉器
air-insulated-switchgear
接点部分を大気中に開放して空気を絶縁材に使用した開閉器。
空気自体が天候などにより安定しないため6kV以外ではあまり使われない。
 
空気遮断器
air-blast-circuit-breaker
遮断時に発生するアークを圧縮空気を噴きつけて消す遮断器。
キュービクル変電設備などで若干用いられている。
 
区間
section
送電線では発電所〜変電所、変電所〜変電所間のこと。
又は開閉器等で区切られた部分。
 
ケーブル
cable
電気絶縁層の他に機械保護層を持った線のこと。
または、単に太い線。
関連語:電線
ケーブルヘッド
cable-head
ケーブルの末端において、端面の電界分布を均一にするために用いる。
先端は碍子又は同等の物がついている。
碍子部は6kV一般用はゴム製、6kV耐塩及び特高用は陶磁器製が一般的である。
関連語:ストレスコーン
サ行
シールド
shield
遮蔽。強電の場合は電界及び磁界を遮蔽する物を表わす。  
シールドリング
shield-ring
碍子や避雷器、ブッシングなどにかかる電位(電界)を平均化するための金具。  
ジスコン(ディスコン、ヂスコン)
disconnecting-switch
電流の流れていない区間(回路)に電圧がかからない様にするためのスイッチ。
原則として電流の流れている場合には使用できない。
補助的に圧縮空気でアークを吹き飛ばして消すタイプもある。
接点部分の絶縁材としては特に使用せず、空気中に晒(さら)したままで使用する事が多い。
同義語:断路器
充電電流 電線と大地間に発生するコンデンサ分に流れる電流。
ケーブルの場合は、中心導体とシールドの間のコンデンサ分に流れる電流。
関連語:負荷電流、無負荷電流
消弧 アークを消す(消える)こと。 対義語:点弧
真空遮断器
vacuum-insulated-circuit-breaker
接点部分を絶縁材の筒で覆い、内部を真空にして消弧能力を高めた遮断器。
主に、6kV配電システムで使用されている。
 
ストレスコーン
stress-cone
ケーブルの末端において、端面の電界分布を均一にするために用いる。
ケーブルヘッドと違い、碍子に相当する部分がない。
関連語:ケーブルヘッド
絶縁体
insulator
電気を流さない“もの”。 関連語:半導体
対義語:導体
タ行
タフピッチ銅
tough-pitch-copper
粗精銅のこと。以前は純度98〜99%程度だったが現在は純度が上がっている。
現在、電力系の電線に使用されているのは3N〜4N(99.9〜99.99%)程度。
 
断路器 ジスコンのこと。  
柱上開閉器 電柱に取りつけるタイプの開閉器。絶縁している媒体により気中、真空、ガスなどの型式が在る。  
柱上気中開閉器
pole-mount-air-insulated-switch
電柱に取りつけるタイプの気中開閉器。
直撃雷 雷が送電線などに直接放電すること。
雷は数億〜数十億ボルト、数百〜数万アンペアともいわれ、
直撃雷を受けると送電が継続できないので架空地線へ落雷させたり
保護機器を用いて速やかに雷エネルギーを大地へ放流し再送電を行うようにしている。
関連語:誘導雷、避雷器、
アークホーン、架空地線
点弧 アークが発生すること。 対義語:消弧
電線
(electric) wire
電気絶縁層のみをもつ線のこと。広い意味では電気を流す線全般。
電気絶縁層を持たない線を敢えて裸電線と呼ぶことも多い。
一般にはタフピッチ銅やアルミニウムが用いられている。
または、単に細い線。
関連語:ケーブル
導体(良導体)
conductor
電気の流れる“もの”。
電線やバーなどの金属部分を指し、一般的には銅やアルミが使われる。
電気の流れやすいものを良導体という。
強電では導体と言う場合、良導体を指すことが多い。
関連語:半導体
対義語:絶縁体
ハ行
避雷器
lightning-arrester
雷で発生した異常電圧を大地に逃がす装置。
以前は弁抵抗型が主流だったが現在は酸化亜鉛型が多く用いられている。
関連語:弁抵抗型、酸化亜鉛型
負荷電流 実際に使用している状態の電流。 対義語:無負荷電流
関連語:充電電流
ブッシング
bushing
変圧器などに電線を引き込む際に用いられる碍子(絶縁物)の筒。 同義語:套管(とうかん)
マ行
無酸素銅
oxygen-free-copper
タフピッチを精製して酸化物を取り除き損失を少なくした銅。
純度は4N(four nine:99.99%)程度が一般的だが、特にオーディオ用として8N程度まで作られている。
無負荷電流 使用していない、負荷のかかっていない電流。
充電電流に変圧器自身の消費電流を加えたもの。
対義語:負荷電流
ヤ行
誘導雷 雷雲が送電線に接近した際、電荷を持っているため反対の電荷が送電線に発生し、
その状態で落雷や放電した場合その電荷が一気に自由になるため
急峻な電位差(雷インパルス)を発生させること。
直撃雷と比べると圧倒的に規模が小さいため避雷器等の働きにより
異常電圧が制限され、送電が遮断されることはあまり無い。
関連語:直撃雷、避雷器、
アークホーン、架空地線
油入開閉器
oil-insulated(filled)-switch
主として鉱物油を絶縁油として使用した開閉器。
大電流遮断特性は考慮されていない。
古い設備で良く用いられている。
高い絶縁性能を誇るが可燃性であるため現在ではあまり用いられない。
 
油入遮断器
oil-insulated(filled)-circuit-breaker
主として鉱物油を絶縁油として使用した遮断器。
異常時の大電流を確実に遮断できる。
古い設備で良く用いられている。
高い絶縁性能を誇るが可燃性であるため現在ではあまり用いられない。
 
ラ行
良導体 導体を参照  


2017-10-15碍子、ケーブル、タフピッチ銅、柱上開閉器、電線、無酸素銅、説明追加修正
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