turgo impulse waterwheel
ターゴインパルス水車は、水圧のかかった水が射出ノズルにより勢いよく射出され、
バケットに斜めに当たることにより水車を回転させます。
射出ノズルの数は単射〜2射で当初は横軸水車のみでしたが、現在では立軸水車もあります。
射出ノズルについてはペルトン水車同様ですが、
低落差、小流量で多く用いられているため簡略化されている事もあります。
ペルトン水車よりも最大効率は若干下がるものの、比速度(大きさや形式の異なる水車を同条件に換算した場合の速度)が高いため低落差、小型化に向いています。
ペルトン水車同様、流量による効率の変動が小さいため水路設備を簡素化できます。
また、水車ランナのバケットの大きさの種類を限定、共通化して製造の手間を抑えており、
主に小出力の水力発電設備に低価格で導入できるメリットがあります。
ケーシング内はペルトン水車同様、水で満たされてはいません。
イギリスのギルバート・ギルケス&ゴードン社が1919年に開発及び1920年5月に特許を取得した水車です。
ギルバート・ギルケス&ゴードン社[Gilbert Gilkes & Gordon Ltd.]は1856年にウィリアムソン[Williamson]3兄弟
によってイギリスの旧ウエストモアランド州[Westmorland]、(現在はカンブリア[Cumbria]州の一部)の
ケンダル[Kendal]に農業関連機器の会社として設立されました。(当初からポンプ等の水車を設計製造していたようです)
1881年にギルバート・ギルケス氏によって買収されギルバート・ギルケス社[Gilbert Gilkes & Co.]と社名を変更しました。
1928年1月に水力関連産業のジェームス・ゴードン社[James Gordon & Co.]によって買収され
現社名のギルバート・ギルケス&ゴードン社となります。
日本へは1988(昭和63)年10月に長野県木島平村営馬曲川発電所に初めて導入されました。