水力発電の仕組み - 取水エリア

直接、堰、小規模なダムによる取水

川に堰を設けて取水する方法です。
小規模なダムによる取水の場合でもこの方法がよく用いられます。
直接取水の場合、図中1番の堰はありません。


直接、又は、取水堰による取水説明図
下流から上流を見た図です。
判りやすくするために着色しています。


1:堰(取水堰)[small dam](ダム、堰の種類もご覧ください)
河川の水を堰き止め取水を容易にします。
河川法により、日本では堤高(基礎岩盤から堤頂又は天端までの高さ)15m未満の物を堰と呼びます。
灌漑用水(農業用の利水)に用いられる場合、頭取工(とうしゅこう)と呼ばれることもあります。
英語圏で区分する場合は、small dam(スモールダム)と呼びます。
単にdamと表記された場合、小川を板で仕切った非常に小規模な物から巨大な物まで含まれます。
2:取水口[intake]、スクリーン[screen]
河川からの水の取り入れ口です。通常、水門が設けられ取水量の調節を行います。
スクリーンも設けられゴミが流れ込むのを防ぎます。
3:沈砂池[sand trap]
取水した水の流速を落とし砂を沈殿させます。
4:余水吐[overflow][spillway][wasteway]
規定の取水量を超えた分の水を川へ戻します。
5:排水路[drainage]、排水門[drain gate]
保守時に水を抜くのに使用します。
6:保守用水門[maintenance gate]、スクリーン[screen]
導水設備及び水車等の保守時には保守用水門(及び取水口水門)にて止水します。
ゴミを取り除く除塵スクリーン、人や動物が流れ込むのを防ぐ防護スクリーンが設けられます。
(通常、両スクリーンは兼用されています)
7:導水路[raceway][waterway][canal][channel]
発電所へと水を送ります。

ダムによる取水

ダムにより大量に水を蓄え長期に亘り安定した水量で取水できます。
大規模なダムからの取水はほとんどこの方法です。


ダムによる取水説明図
上流から下流を見た図です。
判りやすくするために着色、ブイをかなり大きく描いています。
透過して見えるようにダム湖の水を薄く描いています。


ダムによる取水説明アップ図
取水設備付近のアップ図です。
判りやすくするために着色しています。


1:ダム[large dam](ダム、堰の種類もご覧ください)
河川の水を大量に堰き止め水を溜めます。
河川法により、日本では堤高(基礎岩盤から堤頂又は天端までの高さ)15m以上の物をダムと呼びます。
英語圏で区分する場合は、large dam(ラージダム)と呼びます。
2:取水設備[intake facility]
水を取り入れる設備です。
ダム堤体に直接(図中2番の左側)又は河岸(図中2番の右側)に設けられます。
スクリーンのみ、又はスクリーンと水門が設けられています。
取水水位を選択できる選択取水設備[selective intake facility]、表層の取水に特化した表層(表面)取水設備[surface intake facility]もあります。
3:取水塔[intake tower]
取水設備の内、塔状の物を指し、岸やダムなどから離して設置されます。
スクリーンのみ、又はスクリーンと水門が設けられています。
取水水位を選択できる選択取水塔[selective intake tower]、表層の取水に特化した表層(表面)取水塔[surface intake tower]もあります。
4:網場(あば)[boom]
河川を流れてくるゴミや流木などが取水設備やダムの水門へ流れないように設けられます。
万が一、人が流されてきた場合にダムの近くへ流されないようにするための防護設備も兼ねています。
ブイ(浮き)を繋げた形状で小さな浮遊ゴミを防ぐ防塵網場[trash boom]と
ワイヤーで作られ流木や大きなゴミを防ぐ流木網場[log boom]があります。
(図中4番は防塵網場です)


Copyright "suiryoku.com". All rights reserved. 連絡先及び注意事項