中部電力株式会社 長良川発電所
所在地:岐阜県美濃市立花
交通:長良川鉄道 湯の洞温泉口駅より約0.5km
発電所諸元
- 歴史(途中は抜けている可能性が有ります。?は未確認)
- 所有:岐阜水力電氣株式会社−名古屋電燈株式会社[運開]−不明−中部電力株式会社[現在]
- 明治41(1908)年1月 :着工(6月の情報もあり)
- 明治43(1910)年2月 :竣工
- 明治43(1910)年2月 :運用開始
- 昭和26(1951)年5月1日:電気事業再編成令により所有者変更(中部電力)
- 発電の区分
- 種別:一般水力
- 発電形式(落差を得る方法):水路式
- 発電方式(水の利用方法):流込み式
- 出力
- 認可最大出力:4800kW(運開当時4200kW)
- 常時出力:2200kW
- 水量
- 最大使用水量:22.24立方メートル毎秒
- 落差
- 有効落差:26.77m
- 設備
- 水車:立軸フランシス水車 出力5100kW×1台
- 発電機:立軸三相交流同期発電機×1台
- 導水路:総延長4374.7m、主要導水路 延長2169.0m
- 上部水槽:縦59.08m×横6.00〜20.20m×高2.64〜7.00m
- 水圧鉄管:内径3000〜2600mm、板厚10〜20mm、延長44.76m×1条
- 入口弁:バタフライバルブ
- 放水路:幅5.52m×高4.30〜4.45m、延長167.6m
- 設備(運用開始当時)
- 水車:横軸二輪単流前口双子フランシス水車 最大出力2330kW×2台
- 最大使用水量11.12立方メートル毎秒×2
- 有効落差28m
- 独 J.M.Voith(フォイト)製造
- 発電機:横軸自由通風型三相同期発電機 最大出力2500kW×2台
- 回転数360rpm
- 独 Siemens(ジーメンス)製造
- 標高
- 取水位標高:102.43m
- 放水位標高: 70.81m
- 面積
- 流域面積:727.8平方キロメートル
- 河川
- 取水:長良川[長良川ダム]
- 放水:長良川
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
ダム諸元
文化財情報
敷地外及び見学可能な場所から見られない場合でも、絶対に立入禁止の場所へは入らないでください。
国指定登録有形文化財(建造物)
- 登録番号:21−0033、名称:長良川発電所本館、年代:明治43(1910)年
- 煉瓦造地上2階地下1階建の水力発電所の建屋。当初発電機室と接し全体でL字型平面をとっていたが,現在は地上で切り離される。妻面にバラ窓風の開口部を設けつつ,かつての瓦葺屋根の名残である鬼瓦を頂き,和風を意識した妻面をつくる。
- 登録番号:21−0034、名称:長良川発電所正門、年代:明治43(1910)年
- 長良川発電所は長良川中流域に位置し,正門は川に向かって構える。高さ2.4mの門柱の両側に通用門と袖塀を付け,前面に末開きの煉瓦造階段を設ける。各門柱の柱頭と柱礎に花崗岩を用い,外観を引き締めている。外塀と共に,本館と一体的な景観を構成する。
- 登録番号:21−0035、名称:長良川発電所外塀、年代:明治43(1910)年
- 明治30年に岐阜水力電気株式会社が得た許可をもとに,名古屋電灯株式会社が建設した長良川発電所は,長良川流域で最初に造られた発電所である。外塀は高さ1.2mで,帯石でかたどられた玉石積壁に,計5本の控壁を有すフランス積の煉瓦塀が載る。
- 登録番号:21−0039、名称:長良川発電所余水路横断橋、年代:明治43(1910)年頃
- 長良川発電所に注ぎ込む水を堰き止める水槽の余水路に架かる管理橋。橋長8.2m,幅2.0mの小規模な鉄筋コンクリート造単アーチ橋で,アーチ断面にわずかに変化をつける。中部地方における最初期の鉄筋コンクリート橋。
- 登録番号:21−0040、名称:長良川発電所日谷水路橋、年代:明治43(1910)年
- 取水口から長良川発電所まで約4.9km続く導水路の終点近くに位置する。橋長54m,幅8.0mの曲線平面線形をもつ煉瓦及びコンクリート造充腹5連アーチ橋。2種類の径間長をもつ欠円アーチの上に,深さ3.4mで外装煉瓦イギリス積の水路がのる。
- 登録番号:21−0041、名称:長良川発電所湯之洞谷水路橋、年代:明治43(1910)年
- 導水路の第3号隧道出口に隣接する,橋長62m,幅8.0mの煉瓦及びコンクリート造充腹5連アーチ橋。アーチ形に刳り抜れた各橋脚の上に花崗岩の迫持石がのり,そこから6枚厚の煉瓦アーチ部が立ち上がる。山道の景観に風趣を添え,市民に親しまれている。
- 登録番号:21−0042、名称:長良川発電所下須原谷水路橋、年代:明治43(1910)年
- 第二沈砂池に隣接し,下須原川を跨ぐ橋長13m,幅9.3mの煉瓦及びコンクリート造充腹単アーチ橋。4枚厚煉瓦欠円アーチの上に深さ3.3mの外装イギリス積煉瓦水路が設けられる。笠木部分に異なる厚さで煉瓦を2段積み,外観を引き締める。
- 登録番号:21−0043、名称:長良川発電所第二沈砂池排水路暗渠、年代:明治43(1910)年
- 導水路中央部に位置する第二沈砂池排砂路の基部にある。長さ2.3m,幅0.90m,高さ0.85mの煉瓦造欠円アーチ形坑道の端部に,迫石を花崗岩でつくった坑門が付く。坑道内に捲上機と連動した鉄製排砂門を設け,小規模ながら重厚な外観を呈する。
- 登録番号:21−0044、名称:長良川発電所第一沈砂池防水壁、年代:明治43(1910)年
- 導水路第一隧道の手前に位置する第一沈砂池に隣接してたつ。ほぼ五角形平面で,外周に階段付通路を設ける。パラペット付煉瓦積壁面と玉石積壁面が全体を囲み,隧道の流入水量を調節するために各々2つの小門扉を収める4門の半円アーチ形大ゲートが備わる。
- 登録番号:21−0045、名称:長良川発電所取水口呑口上部、年代:明治43(1910)年
- 村南部,長良川中流域にある水力発電所の取水口。迫石に花崗岩を用いた5門の欠円アーチ形ゲートの上に,増水時の取水に使われる4つの矩形開口部(現在閉切)を設けたイギリス積の煉瓦壁面を立ち上げる。当発電所の建設には野口遵と佐藤四郎が関係している。
本データについては、利用規約に基づいて文化庁様、国指定文化財等データベースより転載しています。
フォトギャラリー
旧発電所建屋北側
重厚感が漂います。
旧発電所建屋南側
現発電所建屋北側
旧建屋の景観を損なわないようにレンガ風の外観にしてあります。
現発電所建屋南側
手前には運用開始当時の明治43年から昭和55年まで70年間
使用されていた水車及び発電機が保存展示してありました。
水車ケーシングを流入側から見たところ
金網の部分(もちろん運用時にはありません)から水が流れ込み、
ケーシング中央に据え付けられたランナを通り、水車下部より放流されます。
水車ケーシングを反対側から見たところ
発電機
この頃の設備では良く見る型の発電機です。
(2011-01-11画像追加、2010-02撮影)
中間沈砂池の流出側
取水口から数百m下流に在る沈砂池と余水吐を兼ねた設備です。
(2011-01-11画像追加、2010-02撮影)
こちらは中間沈砂池の流入側
(2011-01-11画像追加、2010-02撮影)
長良川ダム
余りにも堤高が低いために川の一部と化しています。
取水口は画像左上に写っている家の下の方になります。
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2019-02-09所有者情報詳細追加
2015-06-15文化財情報追加
2011-01-11画像追加(2010-02撮影)、発電所諸元詳細追加、運用開始月修正
2008-09-24発電所諸元詳細追加整理
2003-04-14初掲載
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