所在地:岐阜県揖斐郡揖斐川町西横山
交通:近鉄養老線 揖斐駅より約km
日本初の国産立軸水車が設置された水力発電所です。
当初は発電機をアメリカより、水車をドイツより購入予定だったそうですが、
第一次大戦により水車の調達が困難になったため、急遽、電業社により製作されました。
初めての立軸水車だったため苦心の末ようやく完成したそうです。
こうして完成した揖斐川電力西横山発電所は摂津紡績大垣工場(現ユニチカ)への
電力の供給業務を主目的として運用されました。
電業社は元々、電気工事業として設立され、
明治43(1910)年9月より小型水車、ポンプを製造していました。
明治44(1911)年5月に、芝浦製作所(現東芝)より大型水車部門を引き継ぎました。
その後、水車部門は再び(株)東芝に引き継がれ、(株)電業社機械製作所へと社名変更し、
現在はポンプ、送風機、バルブ等の機器類の製造を行っています。
参考:現地案内板、(株)電業社機械製作所様沿革
(説明文中は敬称略)
(2005-08撮影)
水車、発電機一式
今回は発電所跡は訪ねられませんでしたが、国道303号線の道の駅、「星のふる里ふじはし」に
当時の水車が一組展示してありましたので撮影してきました。
左奥が水車(電業社製)、中央が発電機(米GE製)
右側が調速機(恐らく電業社製)です。
水車ケーシングと発電機の間の手前の部品は恐らく水車と発電機の連結部分の物と思います。
(2005-08撮影)
発電機(米GE製)
当時の横軸の発電機と異なり巻き線が全てケーシングに収められています。
(2005-08撮影)
水車ケーシング及びランナー(電業社製)
展示のためにランナーのみ裏返しにされています。
ランナーベーン(羽根)は鉄板を曲げた物を熔接してあります。(2009-08-22情報修正)
(2005-08撮影)
製造者銘
電業社水車製造所製となっています。
ケーシングが草模様ですが手前のガラスによる映りこみです。
(2017-09-18画像追加、2016-09撮影)
取水堰と思しき跡を見つけました。
石張りの堤体でしたが結構削れています。
(2017-09-18画像追加、2016-09撮影)
取水堰の少し下流には沈砂池と思しき跡が見られました。
石積みの上部が丸々草で覆われている部分が沈砂池、下部には排砂口と思しき跡が見えます。
(2017-09-18画像追加、2016-09撮影)
取水堰跡及び沈砂池跡と周辺の様子、画像右側1/3の中段辺りが取水堰と思しき跡、画像左側1/4の中段から少し下が沈砂池と思しき跡です。