所在地:長野県上水内郡信濃町野尻
交通:JR信越本線 妙高高原駅より約3km
日本初の揚水式水力発電所です。
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
中央電気による運用開始当時の概要表です。
池尻川揚水式發電所概要 中央電氣株式會社
(2005-10撮影)
上部貯水池となる野尻湖から見て行きましょう。
野尻湖の取水設備北側の様子です。
(2005-10撮影)
野尻湖の取水設備南側の様子です。
手前の堤の先が池尻川の流出部、その先に2箇所見える堤の間にも、もう一つの水門設備があり、そちらが発電所水路となっています。
木々の色づきが良くないせいもあるでしょうが紅葉シーズンにしては妙にひっそりとしています。
(2005-10撮影)
野尻湖の池尻川流出部です。
撮影地点の真後ろが下の画像に写っている水門で、池尻川となります。
(2005-10撮影)
池尻川水門です。
水門の向こうが野尻湖、写っている水路は池尻川です。
水門左側のアーチ状に開口している部分は発電所水路の暗渠部分へと接続されており、揚水時には補助ポンプも用いているとの事です(2009-12-13情報修正)
この他、建屋、発電機等の情報もお教え頂きました。どうもありがとうございます。
(2005-10撮影)
野尻湖から国道18号線沿いを上越方面に進んでいくと発電所建屋が在ります。
2箇所建屋が見えますが、手前が揚水兼発電の建屋、奥が発電のみの建屋です(2009-12-13情報修正)
2箇所の建屋の間を流れているのが野尻湖より流れ出している池尻川で、ここからも取水しているようです。
発電を終えた水は右の山の下をトンネルでくぐって関川沿いの調整池へと流れ込みます。
また、建屋は中部電力様の配電地域に在りますが、すぐ近くが自社(東北電力様)の配電エリアとなっている為、そこから送っているようです。
運用開始当時の発電所建屋です。
片方の建屋しか写っていませんが、もう片方の建屋(発電専用機)は後に建設されたそうです(2009-12-13情報修正)
発電揚水兼用機は1台の発電電動機の軸に別体の発電水車と揚水ポンプを接続するタンデム式だったようです。
上の運用開始当時の概要表から推測すると発電電動機+電動機+水車+ポンプが1台、発電電動機+水車+ポンプが1台だったようです(2009-12-13情報修正)
(2005-10撮影)
下部調整池、右側に流れているのは関川です。
貯水池では無く、調整池です。補修のため運転を停止しているので空っぽです。
左側の水門が発電所へ、右側の水門が関川へと通じています。
揚水時は、関川(及び池尻川)より取水して野尻湖へ、発電時は野尻湖より取水し、発電を終えた水は関川へと放流又は直接導水され下流の発電所等で利用されます。
下部貯水池の無い揚水式発電所は国内ではかなり珍しいです。
揚水−発電サイクルが一般的な揚水発電の1日周期のサイクルではなく、
1年周期(融雪期及び多雨期揚水、渇水期発電)のサイクルで、
渇水期に下流の水量を確保する目的もあるため下部貯水池を用いない方式になったようです。
関川の水力発電所は基本的に農業利水従属型となっており、本発電所もその運用に組み込まれているのが関係しています。
(2005-10撮影)
関川の取水堰
取水された水は上画像の下部調整池へと導水され、池尻川発電所にて揚水、及び大谷第二発電所へ導水されています。
(2012-12-30画像追加、2011-10撮影)
取水堰左岸より下流を望む
画像左手が2つ上の画像に写っている下部調整池です。