所在地:長野県上伊那郡高遠町勝間
交通:JR飯田線 伊那市駅より約10km
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
本データは現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より転載しております。
ダムウォーキング 美和ダム(YouTubeへ移動します)
美和ダムと発電所建屋
堤頂部の様子
右岸遮水壁部分がカーブしています。
発電所建屋をダム天端より望む
ダム下流の様子
美和ダム湖となる美和湖の様子、一番奥の山の右手が分杭峠。
このダムは堆砂が激しいため、
現在、ある程度の土砂を下流に流すためのバイパス、
貯水池としての美和湖を復活させるため土砂の除去や上流部に
土砂防止用のダムを造り、リフレッシュ工事を行っています。
このダムがまさしく“暴れ天竜”の首根っこを押さえ込んでいると言えます。
また、この三峰川上流部は南アルプス(赤石山脈)の崩落の激しい一帯を水源に持つため、
いわゆる“緑のダム”も厳しいので、手入れをして永く使うべきダムだと思います。
正式には“美和ダム恒久堆砂対策”と呼ばれています。
美和湖上流に貯砂ダム及び分派堰を設け、粒子の大きい土砂は貯砂ダムで貯め、
粒子の小さな土砂は分派堰より、左岸側に設けられた長さ4.3kmの
洪水バイパストンネルによって美和ダムより下流へ流す設備です。
この排砂システムにより、年間平均土砂流入量685000立方メートルの内
160000立方メートルを貯砂ダムへ貯め、コンクリート骨材等の建設資材として利用
分派堰より399000立方メートル、美和湖よりの補助排砂トンネルより
79000立方メートルの合計499000立方メートルの細かい土砂を下流へと流します。
最終的に美和湖へと流れ込む土砂は年間26000立方メートルと大幅に抑えられます。
出典
国土交通省様 美和ダム恒久堆砂対策パンフレット
天竜川ダム総合管理事務所様 貯砂ダムパンフレット
(2006-02-19画像追加、2005-09撮影)
美和ダム下流のバイパストンネル出口
画像左側に写っている美和ダムの左岸の山中を通っています。
(2006-02-19画像追加、2005-09撮影)
美和湖と分派堰
対岸(左岸)の山中をバイパストンネルが通っています。
(2006-02-19画像追加、2005-09撮影)
分派堰下流側の様子
分派堰は堤高20.5メートルの自然越流型直線重力式コンクリートダムです。
洪水時には、左岸(画像右側)に設けられた水門設備より
粒子の細かな土砂混じりの水をバイパストンネルより放流します。
洪水の濁流をそのままバイパスする感じです。
(2006-02-19画像追加、2005-09撮影)
分派堰上流側の様子
美和湖の周遊道路も工事中だったため近寄っての撮影が出来ませんでした。
分派堰左手に2箇所突き出ているのが主水門と副水門です。
両岸に魚道があるそうですが右側の建物らしきものが右岸の魚道かもしれないです。
(2006-02-19画像追加、2005-09撮影)
貯砂ダムを下流より望む
堤体左右の穴は魚道です。
コンクリート造りの密な堤体ではなく、ブロック積みのざっくりと粗い堤体です。
細かい粒子の土砂は留めずに大きい粒子の土砂のみ留めるためのようです。
諸元は、堤体幅144.44m、堤高14.95m、越流幅94.58m、越流部高10.18m
敷幅17.50m、最大流量1200立方メートル毎秒です。
(2006-02-19画像追加、2005-09撮影)
貯砂ダム上流の様子
ここに粒子の大きな土砂が溜まります。
美和ダム湖から比べると圧倒的に容易に搬出できます。
搬出された土砂はコンクリート骨材等として再利用されます。
以前、別のダムの関係者の方に、堆砂はコンクリート骨材としては、そのままでは粒子が小さすぎるとの話を伺った事があるのですが
この方法だと大きい粒子が主に留まるので、その点から見ても都合が良いようです。