所在地:長野県松本市入山辺
交通:JR中央本線 松本駅より約7km
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
燈火不熄 東獄渓流水勢確 回輪發電勝天工 風吹燈火終無熄 百歳連延著大功 賀薄川第一發電所百周年 平成己卯孟秋 詩書 中部電力株式會社 社長 太田宏次
現地案内板に説明がありました。(改行は適宜調整)
「太田偕風」は百周年記念当時の中部電力社長で在られた太田宏次氏の雅号です。
「燈火不熄」(とうかはきえず)の詩碑に寄せて
太田偕風
漢文部分は重複するため省略
「東嶽の渓流 水勢雄なり
輪を回し電を發すれば 天工に勝る
風吹けど 燈火の終に熄える無し
百歳 連延として大功を著わす」
東の山嶽地帯から流れ出る渓流は、水量も豊富で、流れの勢いも強い。
その水を使って発電機を回し、電気を作るということは神技以上の事のように思われる。
この電気で灯す燈火は、風が吹いてもついに消(熄)えることがない。(と当時の人は感嘆した。)
当発電所はもはや百年も運転を継続し、世の中のために大変役立っている。」
「信州松本の電気事業の発祥は、当時の最新技術を採り入れた薄川第一発電所の建設に始まる。
爾来、電気事業には多くの試練があり、経営上困難なこともあったが、
ここに無事、百周年を迎えることができた。そしてこの間、電気事業は
経済大国となった我が国の発展のために大変な功績を残した。」
平成十一年十二月
(2007-11撮影)
百周年記念碑
左側の金属板に説明があります。
(改行は適宜調整)
薄川第一発電所
ここ松本平
電気発祥の地
昭和五十六年十一月
松本市長 和合正治書
薄川第一発電所は明治三十二年十二月に発電を開始し、このとき初めて松本平に電気の燈がともりました。
当時の人々の「水から燈が出るわけがない」という驚きが目に見えるようです。
当社創立三十周年により記念碑を設置いたしました。
なお記念碑の土台石は薄川第一水力発電所建設当時の基礎石を使用したものです。
中部電力株式会社 長野支店 松本電力所
(2007-11撮影)
松本平電気発祥の地記念碑
(2007-11撮影)
発電所全景
現地案内板に運用開始当時の発電所建屋の写真が載っていますが外観がそっくりです。
(2007-11撮影)
発電所を下流側より望む
発電所右手に発電所百周年記念広場があります。
(2007-11撮影)
発電所と周辺の様子
画像中央が発電所です。
画像左手、眺めを遮るように写っている木の向こうが薄川上流となります。
(2007-11撮影)
発電所と松本平
画像中央左に松本平、その向こうに白く写っているのは北アルプスの山々です。
発電所の左側が百周年記念広場で薄川の水力発電所で使用されていた水車が展示されています。
(2007-11撮影)
横軸単輪単流渦巻フランシス水車
最大出力430kW
最大使用水量1.156立方メートル毎秒
有効落差43.03m
回転速度720rpm
大正9(1920)年、電業社製造
大正9年より平成6年まで74年間使用
3代目水車が展示してありました。
遠くに北アルプスの山々を望み素晴らしい眺望です。