古河鉱業株式会社(足尾銅山) 間藤発電所 跡

所在地:栃木県上都賀郡足尾町上間藤
交通:わたらせ渓谷鐵道 間藤駅より約1km

特記事項

現在、その姿は名残を留めるのみとなってしまいましたが、同じく明治二十三年に運用開始した
下野麻紡織会社の発電所(こちらも現在廃止)と並ぶ関東地方最古参の水力発電所です。

発電所諸元

歴史
所有:古河市兵衛氏(足尾銅山)[運開]−古河鉱業会社−古河合名会社−古河鉱業株式会社[廃止]
明治23(1890)年12月:運用開始
明治38(1905)年   :会社組織へ変更(古河鉱業会社)
明治44(1911)年   :法人格変更(古河合名会社)
大正 7(1918)年   :分社化により所有者変更(古河鉱業)
発電の区分
種別:廃止(一般水力)
発電形式(落差を得る方法):水路式
発電方式(水の利用方法):流込み式
出力
最大出力:400馬力(300kW)
落差
有効落差:31.8m
設備
水車:トルビン式横水車
発電機:独、ジーメンス社製
導水路長:2.9キロm
河川
取水:松木川、深沢川
放水:渡良瀬川

案内板、記念碑等

現地案内板より

足尾町指定史蹟
間藤水力発電所跡

明治十年(1877)より足尾銅山を経営した古川市兵衛は、
今までの銅山の動力源である、薪、木炭に代わるべきものとして、
ドイツのジーメンス電気機械製造会社のヘルマン・ケスラー技師の勧めにより、
はじめて水力発電にふみきり、明治二十三年(1890)十二月、
この地(上間藤)に原動所(水力発電所)を完成した。

この水力発電所は日本最初のもので松木川上流(現在の足尾ダム下)と深沢川から用水の取り入れを行った。
2.9kmの水樋はこの山頂の大鉄管に接続し、落水31.8mの水力によってトルビン式横水車を回転させた。
四百馬力の電力は、直ちに揚水機(坑内排水)巻揚機(立坑ケージ用)坑内電車、電灯などに利用、
銅山近代化を強力におしすすめる力となった。
名残をとどめる直径1mの鉄管の一部が上の平がけ下にあり、原動所はこの下の渡良瀬川原にあった。

昭和五十三年三月三十日
足尾町教育委員会


トルビン式横水車とありますが、恐らく横軸タービン(渦巻)水車の事と思われます。
フランシス水車の基となった水車です。

フォトギャラリー



2018-04-30所有者情報詳細追加
2008-11-03発電所諸元(落差)修正
2003-02-16画像整理追加
2002-01-09初掲載
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