所在地:栃木県那須塩原市塩原
交通:JR東北新幹線、東北本線 那須塩原駅より約18km
上部貯水池となる八汐ダムはアスファルトフェイシングダムとして日本最大、世界でも1、2位に位置する大きさです。
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
2010年4月に塩原発電所、八汐ダム、蛇尾川ダムを見学させて頂きました。
ご案内頂いた東京電力様、見学会を主催された日本ダム協会様、見学会の開催にあたり調整を行って頂いた方々、どうもありがとうございました。
発電所建屋
地下式発電所のため山中深くに空洞を掘って設けられています。
画像中央の赤い円の部分が発電電動機及びポンプ水車となっています。
サイリスタ直入始動のため天面の円筒部分はブラシ及び軸受のみです。
画像左端に写っている巨大な治具は発電機を取り出してメンテナンスする際に用いますが、
あまりに重いのでホイスト(クレーン)を2台連動運転して用います。
治具だけで40トンもあるそうですが精度良く分解組立をするには必要な物です。
本発電所のポンプ水車の実証試験の為に作成されたポンプ水車ランナー模型の内の1つです。
珍しい7枚羽根(7翼)のランナーです。
実際には6枚羽根(6翼)のランナーが使用されているとの事です。
分岐管の熔接断面のサンプルです。
HT80鋼(高張力鋼)と思われます。
実に緻密且つ滑らかな熔接です。
これだけの高品質な熔接に依り数百mもの水圧が掛かった直径数mの巨大な水圧鉄管、分岐管を安全に利用出来る訳で、地味ではありますが正しくQuality made in Japanです。
上部貯水池となる八汐ダムの堤体上流面です。
表面に2本見える帯状の薄い色の部分は計測器の保護用です。
アスファルト表面遮水壁型(フェイシング)ダムですが、滑らかな表面が美しいです。
アスファルト舗装機械(アスファルトフィニッシャ)をワイヤーで吊りながら堤体の上下方向に一気に敷設したそうです。
堤体遮水壁断面のサンプルです。
アスファルトに骨材(砂利)を混ぜてアスファルトコンクリートとして使用しています。
最下部(画像には写っていません)のトランジション層と接する部分にマカダム[macadam]層(粗舗装層)
その上に粗粒度アスファルトコンクリートを配したレベリング[leveling]層(均し層)、
その上に密粒度アスファルトコンクリートを配した下部遮水層、
その上に開粒度アスファルトコンクリートを配した中間排水層(扉のつまみの辺り)、
その上に密粒度アスファルトコンクリートの上部遮水層を重ねて施工、最上部に表面保護層(画像には写っていません)となっています。
八汐ダム天端よりダム湖を望む
湛水面積が小さいですが見た目にも小さく感じます。
純揚水式につき貯水容量を一気に最大限使う事が出来るため混合揚水や一般水力の貯水池よりも小さくて済みます。
画像最下部の黒い部分がアスファルトフェイシング、画像左端中央のコンクリート構造物が取水口となります。
八汐ダム天端より下流を望む
画像左上の谷が鍋有沢川で下流の蛇尾川ダムへと続いています。
八汐ダム自由越流頂
八汐ダム洪水吐上部の様子
八汐ダム堤体下流面と洪水吐
画像中央付近の堤体が盛り上がっていますが道路のヘアピンカーブを設けているためです。
八汐ダム定礎石
ダム監査廊最下部に据えられています。
蛇尾川ダムの方はダムマニアの方々(もちろん私も含めて)の熱心な見学により時間不足となってしまい見られませんでした。
こちらは下部貯水池となる蛇尾川ダムの全景です。
蛇尾川ダムと名づけられていますがダムが在るのは小蛇尾川で下流で大蛇尾川と合流して蛇尾川となります。
蛇尾川ダム天端より下流を望む
右岸のカーブ具合がいい感じです。
画像右側のフーチングが絵的に丁度いい感じにアクセントとなっている様に思います。
蛇尾川ダム上流側の様子
画像右手の藪の向こうに放水門が3門見えます。
蛇尾川ダム湖
こちらも八汐ダム同様にダム湖は小さいです。
画像中央が八汐ダムへと続く鍋有沢川、画像右奥が小蛇尾川上流となります。
画像左端中央のコンクリート構造物が放水口です。