北陸電力株式会社 小口川第三発電所

所在地:富山県富山市水須
交通:富山地方鉄道立山線 有峰口駅より約9km(有峰林道観望場所まで)

特記事項

一般水力に於いて日本最高落差です。

日本で初めて別置ポンプを使用した揚水発電を行いました。(揚水発電そのものでは2番目)

発電所諸元

歴史
所有:日本海電氣株式会社[運開]−北陸合同電気株式会社−日本発送電株式会社−北陸電力株式会社[現在]
昭和 6(1931)年11月   :運用開始(14000kW)
昭和 9(1934)年 5月17日:揚水(試験)運転開始
昭和10(1935)年 3月   :補助揚水ポンプ設置
昭和16(1941)年 8月   :所有者変更(北陸合同電気)
昭和17(1942)年 4月   :配電統制令により所有者変更(日本発送電)
昭和26(1951)年 5月   :電気事業再編成令により所有者変更(北陸電力)
昭和53(1978)年11月30日:揚水運転停止
水力発電方式(現在)
種別:一般水力
発電形式(落差を得る方法):ダム水路式
発電方式(水の利用方法):貯水池式
水力発電方式(揚水運転当時)
種別:揚水式水力
発電形式(落差を得る方法):ダム水路式
発電方式(水の利用方法):混合揚水式
揚水運転周期:不定周期(計画では2季区切りの年周期)
出力
認可最大出力:14500kW
  常時出力: 3700kW
水量
最大使用水量:2.78立方メートル毎秒
落差
有効落差:621.20m
設備(現在)
水車:横軸ペルトン水車 出力14900kW×1台
発電機:横軸三相交流同期発電機×1台
導水路:総延長3794.9m、主要導水路 圧力トンネル 口径1.00m、延長2751.6m
調圧水槽:制水孔式サージタンク 口径2.00m×高56.72m
水圧鉄管:内径1200〜650mm、材質、板厚SM41A 8〜11mm、SM50A 9〜11mm、SM58Q 9〜17mm、延長1521.798m×1条
      設計最大水頭731.172m、有効落差621.200m、重量490.0トン、平成2(1990)年10月制作
入口弁:ロータリーバルブ
放水路:幅2.12m×高2.00m、延長2.2m
設備(旧設備)
水車:横軸ペルトン水車 出力12000HP(8950kW)×2台
発電機:横軸三相交流発電機 容量10000kVA×2台 60Hz
水圧鉄管(本管):内径1200〜900mm、板厚8〜45mm、延長1506.939m×1条
          設計最大水頭708.086m、有効落差621.200m、重量913.93トン
     1号条管:内径900〜600mm、板厚45mm、延長 4.750m、重量 4.5トン
     2号条管:内径900〜600mm、板厚45mm、延長13.563m、重量12.7トン
     共通事項:材質SS39相当、昭和6(1931)年11月、ドイツ マンネスマン(株)[Mannesmannröhren-Werke AG]製作
鉄管弁:ジョンソンバルブ×1台
      昭和5(1930)年製作、昭和6(1931)年設置、平成元(1989)年5月撤去
      イギリス ブレーキボロー社[J. Blakeborough and Sons, Ltd.,]製作
主揚水ポンプ:横軸6段タービンポンプ×1台
      入力容量4350HP(3250kW)、揚水量14立方フィート毎秒(0.396立方メートル毎秒)
      全揚程2190フィート(667.5m)、回転速度1200rpm、口径400mm
      昭和8(1933)年9月、(株)電業社原動機製造所製作
主揚水ポンプ用電動機:横軸三相交流同期電動機 連続定格出力4800HP(3580kW)×1台
      回転速度1200rpm、50Hz、6極、電圧11kV
補助揚水ポンプ:立軸軸流ポンプ×1台
      入力容量75HP(56kW)、揚水量14立方フィート毎秒(0.396立方メートル毎秒)
      全揚程23尺(6.97m)、回転速度900rpm、口径600mm
      昭和8(1933)年9月、(株)電業社原動機製造所製作
補助揚水ポンプ用電動機:立軸三相交流誘導電動機 連続定格出力75HP(56kW)×1台
      回転速度860rpm、50Hz、8極、電圧200V
標高
取水位標高:1400.50m
放水位標高: 746.85m
面積
流域面積:7.9平方キロメートル
河川
取水:小口川[祐延ダム]
放水:真立谷川[真立ダム]→小口川第二発電所

本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
主揚水ポンプ、主揚水ポンプ用電動機、補助揚水ポンプ、補助揚水ポンプ用電動機の諸元については
一般社団法人 電気学会様「電氣學會雑誌 55巻563號 小口川第三發電所揚水設備に就て」及び現地案内板より抜粋

ダム諸元

祐延ダム(揚水運用当時は上部貯水池)

名称
祐延(すけのべ)ダム
歴史
昭和3(1928)年:着手
昭和6(1931)年:竣工
種類
越流型直線重力式コンクリートダム
大きさ
堤高:45.455m、堤頂長:125.456m、堤体積:44,000立方メートル
ダム敷幅:50.7m
容量
 総貯水容量:8,786,000立方メートル
有効貯水容量:8,753,000立方メートル
標高
   天端標高:1401.470m
常時満水位標高:1400.500m
  越流頂標高:1399.650m
 最低水位標高:1372.00 m
   基礎標高:1356.015m
面積
流域面積:6.78平方キロメートル
湛水面積:0.60平方キロメートル
水門設備等
クレストゲート:スライドゲート×4門
下部放流管:1箇所

本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)

真立ダム(揚水運用当時は下部貯水池)

名称
真立(まったて)ダム
歴史
昭和2(1927)年:着手
昭和4(1929)年:竣工
種類
バットレス(扶壁式)鉄筋コンクリートダム
大きさ
堤高:21.818m、堤頂長:61.212m、堤体積:4,000立方メートル
容量
 総貯水容量:26,000立方メートル
有効貯水容量:23,000立方メートル
標高
   天端標高:749.172m
常時満水位標高:748.263m
 最低水位標高:744.063m
   基礎標高:727.354m
面積
流域面積:23  平方キロメートル
湛水面積: 0.01平方キロメートル

本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)

フォトギャラリー(旧設備篇)

フォトギャラリー(現設備篇)

有峰林道からその片鱗を望む


いよいよ発電所へ

フォトギャラリー(取水ダム篇)



2018-11-10所有者情報詳細追加
2011-07-11発電所諸元修正
2011-07-03画像、諸元追加
2011-05-30ポンプ説明追加
2011-05-21展示機器説明修正、配管説明追加
2010-10-31画像追加差替(2010-08撮影)
2009-11-23初掲載(一部2005-07撮影)
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