所在地:富山県南砺市祖山
交通:JR城端線 城端駅より約28km
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
現地の展示水車案内板より
祖山発電所1号水車
平村を南北に流れる庄川の上流部に位置する祖山発電所は、大阪方面に電力を供給するため、
1925年(大正14年)1月に大同電力株式会社の初代社長である福沢桃介氏が水利使用許可を頂いて、
1927年(昭和2年)4月に昭和電力株式会社により着工、1930年(昭和5年)12月10日に
発電を開始し、その後、関西電力株式会社に引き継がれました。
その当時としては画期的な建設体制で3年半という驚くべき短期間で工事が完成しました。
建設資材は中越鉄道(現在の城端線)により城端駅を拠点とし、重量物(発電機、水車、鉄管)は
馬車により小牧の船着場を経由し、船を両岸から人力で引っ張る方法で庄川をさかのぼり、
比較的軽い資材は索道による山越えでダム現場まで輸送されました。
また、発電開始までには幾つもの問題点があり、流木業、農業の補償及び魚の保護等の反対運動により
8年間法廷で争われました。
しかし、現在では昭和初期に建設された祖山発電所は平村の歴史と共に歩み、
村民の善意に守られ生き続けています。
ここに展示された水車は、その役目を終え交換されたものです。
平成11年11月11日建立
補足説明:平村は平成の大合併により南砺市になっています。
(2006-05撮影)
祖山発電所(奥)と新祖山発電所(手前)
(2006-05撮影)
祖山発電所全景
祖山発電所のみだと丁度良い撮影場所がありました。
サージタンクが単なる円筒形ではなく凝った造りになっています。
画像右上に見えるコンクリート構造物は材木乗越設備、画像左奥に祖山ダムが在ります。
立軸単輪単流渦巻フランシス水車
出力20142kW、回転数200rpm
羽根枚数17枚、重量18600kg
米国 I.P. Morris 社製造
(2006-05撮影)
祖山発電所で使用していた水車ランナとシャフト
米国から直接の購入では無く、IPモーリス社の日本法人が在り、そこからの購入だった様です。
IPモーリス社とはあまり聞かない会社ですが、ペンシルバニア州フィラデルフィアに在った総合機械製造業の会社で、
ナイアガラの滝から取水を行っている水力発電所に同形式の水車を納入しているようです。
水車が納入されたのはカナダ側、ナイアガラの滝から少し下流に在るSir Adam Beck No.1発電所(1922運開または完成)でナイアガラ式発電ではないようです。(2021-09-26追加修正)
(2006-05撮影)
祖山ダム
画像右側のダム頂越しに見えるのが取水口です。
庄川は画像のすぐ外で左へとカーブしています。
(2006-05撮影)
祖山ダムと材木乗越設備(画像右側のコンクリート構造物)
庄川の蛇行の凄さが判ります。
材木乗越設備とは、ダム湖側より材木引き上げて陸路にて輸送、発電所下流にて川へと戻す設備です。
祖山ダムでは、ダム湖側より材木をチェーンコンベヤーにて引き上げ、下流側で列車に積み込み輸送していました。
(2006-05撮影)
祖山ダム下流の蛇行の様子、画像右外が祖山ダムです。
ダム上流側のみならず、下流側でもかなり蛇行しています。
この位置からだと平仮名の「ひ」の字状に川が蛇行している様に見えます。
(2006-05撮影)
祖山ダム湖と材木乗越設備
画像右よりのオレンジ色のブイ(網場)の先で左へカーブしており、その先が祖山ダムです。
画像左よりのダム風のコンクリート構造物が材木乗越設備です。
(2006-05撮影)
祖山ダム湖上流方向を望む
画像右奥が上流方向で手前で曲がって画像左外へと流れていきます。