中部電力株式会社 波多瀬発電所

所在地:三重県多気郡多気町波多瀬
交通:JR紀勢本線 栃原駅より約10km

発電所諸元

歴史
所有:三重共同電力株式会社[運開]−三重合同電氣株式会社−東邦電力株式会社−中部配電株式会社−中部電力株式会社[現在]
大正10(1921)年12月  :運用開始
大正11(1922)年 5月  :三重合同電気へ移管
昭和12(1937)年     :東邦電力へ移管
昭和17(1942)年     :中部配電へ移管
昭和26(1951)年 5月1日:電気事業再編成令により所有者変更(中部電力)
昭和47(1966)年 3月  :無人化
昭和59(1978)年11月  :改修完了、運用開始
発電の区分
種別:一般水力
発電形式(落差を得る方法):水路式
発電方式(水の利用方法):流込み式
出力
認可最大出力:800kW
  常時出力:  0kW
水量
最大使用水量:4.175立方メートル毎秒
落差
有効落差:25.76m
設備(現在)
水車:横軸単輪複流渦巻フランシス水車 出力895kW×1台
発電機:横軸界磁回転形 三相交流同期発電機×1台
導水路:総延長4116.0m(一部圧力トンネル)、主要導水路 幅2.50m×高1.60m、延長2150.3m
上部水槽:溢流型 縦24.43m×横5.80m×高3.48m
水圧鉄管:内径1500〜900mm、板厚6〜8mm、延長32.634m×1条
入口弁:バタフライバルブ
放水路:幅2.20m×高2.10m、延長41.5m
設備(改修前)
水車:横軸単輪複流渦巻フランシス水車 出力855kW×1台
    最大流量4.175立方メートル毎秒、有効落差22.42m、回転速度450rpm
標高
取水位標高:92.78m
放水位標高:66.37m
面積
流域面積:276.0平方キロメートル
河川
取水:櫛田川[立梅井堰]
放水:櫛田川

本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)

ダム諸元

名称
立梅(たちばい)井堰(いせき)
種類
取水堰

文化財情報

敷地外及び見学可能な場所から見られない場合でも、絶対に立入禁止の場所へは入らないでください。

国指定登録記念物

種別:登録記念物(遺跡関係)、名称:立梅用水、年代:江戸〜現代
一級河川櫛(くし)田川(だがわ)に設置された立(たち)梅井堰(ばいいせき)によって取水し,中流域右岸の河岸段丘面に導水する用水路。全長28km,現在の受益面積267ha。灌漑用水のみならず,防火用水,発電用水等多様な利水がなされている。
波(は)多瀬(たせ)発電所までの導水路(約4km)に続いて,波多瀬・片野・朝柄・古江・丹生の各地区に幹線用水路が延びている。地元の西村彦(にしむらひこ)左(ざ)衛門(えもん)為(ため)秋(あき)らが立案し,和歌山藩への請願により,文政3年(1820)3月着工,同6年2月に竣工した。
廃藩置県後は用水の維持管理費用の捻出が大きな課題となったが,大正9年,三重(みえ)共同(きょうどう)電力(でんりょく)株式(かぶしき)会社(がいしゃ)との契約により,安定した財源を得ることが可能となった。これは現在の中部電力株式会社との契約に継承されている。また,昭和26年以降,県営の改良事業が実施され,今日に至っている。
現在の水路は昭和期以降の工事により,基本的に三方コンクリート張りの開渠(かいきょ)となり,一部新たに掘削された隧道が利用されているが,硬い岩盤を刳り抜いた素掘りの隧道や切り通し部分が良好に残り,大半の経路が当初の経路を踏襲していると考えられることとあいまって,近世の土木技術を知る上で貴重である。
また,元禄期に和歌山藩の大畑才蔵が測量を実施しており,紀州流と呼ばれる土木工法の実態を解明する上でも貴重である。

本データについては、利用規約に基づいて文化庁様、国指定文化財等データベースより転載しています。

フォトギャラリー



2019-02-09所有者情報詳細追加
2016-11-28発電所諸元詳細及び画像追加(2015-10撮影)
2009-11-09初掲載(2007-01撮影)
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