東京電力リニューアブルパワー株式会社 八ツ沢発電所
所在地:山梨県上野原市八ツ沢
交通:JR中央本線 上野原駅より約2km
特記事項
発電所施設群が国の重要文化財に指定されていますが、国の重要文化財に於いて最大の規模となります。
調整池として設けられた大野ダムは日本初の本格的発電用アースダムとなります。
発電所諸元
- 歴史(途中は抜けている可能性が有ります。?は未確認)
- 所有:東京電燈株式会社[運開]−日本発送電株式会社−東京電力株式会社−東京電力ホールディングス−東京電力リニューアブルパワー株式会社[現在]
- 明治45(1912)年 7月 :運用開始(水車2台)
- 大正 3(1914)年 :設備改修(水車6台、35000kW)、大野調整池運用開始
- 昭和14(1939)年 1月1日?:配電統制令により所有者変更(日本発送電)
- 昭和17(1942)年 4月 ?:配電統制令により所有者変更(日本発送電、第二次統合)
- 昭和26(1951)年 5月1日:電気事業再編成令により所有者変更(東京電力)
- 昭和38(1963)年11月〜昭和39(1964)年:設備改修(水車4台、42000kW)
- 平成28(2016)年 4月1日:社名変更(東京電力ホールディングス)
- 令和 2(2020)年 4月1日:組織変更(東京電力リニューアブルパワー)
- 発電の区分
- 種別:一般水力
- 発電形式(落差を得る方法):水路式
- 発電方式(水の利用方法):調整池式
- 出力
- 認可最大出力:42000kW
- 常時出力:19100kW
- 水量
- 最大使用水量:41.74立方メートル毎秒
- 落差
- 有効落差:116.29m
- 設備
- 水車:横軸フランシス水車×4台 総出力43200kW
- 発電機:横軸三相交流同期発電機×4台
- 導水路:総延長13691.8m、主要導水路 幅3.97m×高3.97m、延長7687.6m
- 上部水槽:縦30.30m×横15.25m×高16.00m
- 水圧鉄管:内径1860〜1640mm、板厚9〜12mm、延長225.82m、4条
- 入口弁:バイプレーンバルブ(複葉弁)、バタフライバルブ
- 放水路:幅5.60m×高4.54m、総延長906.7m
- 標高
- 取水位標高:302.27m
- 放水位標高:171.94m
- 面積
- 流域面積:482.0平方キロメートル
- 河川
- 取水:駒橋発電所、桂川、葛野川
- 放水:松留発電所
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
ダム諸元
- 名称
- 大野(おおの)ダム
- 歴史
- 明治43(1910)年 :着手
- 明治43(1910)年5月31日:築堤工事開始
- 大正 3(1914)年6月 :竣工
- 種類
- ゾーン型アースダム
- 大きさ
- 堤高:37.27m、堤頂長:309.10m、堤体積:352,000立方メートル
- 容量
- 総貯水容量:1,692,000立方メートル
- 有効貯水容量: 467,000立方メートル
- 面積
- 流域面積:487.9 平方キロメートル
- 直接流域面積: 5.9平方キロメートル
- 間接流域面積:482 平方キロメートル
- 湛水面積: 0.15平方キロメートル
- 標高
- 堤頂標高:296.97m
- 利用水深:3.03m
- 水門設備等
- 余水吐(堤体外):自由越流頂×1箇所
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
文化財情報
敷地外及び見学可能な場所から見られない場合でも、絶対に立入禁止の場所へは入らないでください。
国宝・重要文化財(建造物)
- 登録番号:02475(重要文化財)、名称:八ツ沢発電所施設(取水堰堤/取水口制水門/取水口沈砂池/第一号隧道/第一号開渠/第二号隧道/第一号水路橋/第三号隧道/第二号水路橋/第四号隧道/第三号水路橋/第五号隧道/第四号水路橋/第六・七・八・九・一〇号及び一一号隧道/第一二・一三・一四・一五・一六・一七及び一八号隧道/水槽/水槽余水路)、年代:明治45(1912)年
- 登録番号:02475(重要文化財)、名称:八ツ沢発電所施設(大野調整池堰堤/大野調整池制水門/大野調整池余水路)、年代:大正3(1914)年
- 八ツ沢発電所施設は,桂川にほぼ平行して東西に延びる水路式発電所施設である。東京電燈株式会社が第二水力電気事業の一環として建設したもので,明治43年に着工,大正3年の大野調整池の完成をもって全体が竣工した。
建造物は,取水口施設,第一号から第一八号の隧道,第一号開渠,第一号から第四号の水路橋,大野調整池施設,水槽余水路などで,約14kmの範囲に現存する。
取水口の沈砂池や隧道は,土砂流入防止等を意図して長大な規模で築かれる。第一号水路橋は大支間を実現した初期鉄筋コンクリート造橋梁であり,大野調整池堰堤は大正期を代表する大規模土堰堤の一つである。
八ツ沢発電所施設は,大規模調整池を有するわが国最初期の本格的水力発電所施設であるばかりでなく,類型の異なる複数の構造物に高度な建設技術が発揮されており,土木技術史上,高い価値がある。
わが国の重要文化財のなかで、最大規模となる。
本データについては、利用規約に基づいて文化庁様、国指定文化財等データベースより転載しています。
フォトギャラリー
桂川の取水堰は駒橋発電所のページに掲載してあります。
(2015-03撮影)
発電所建屋と水圧鉄管です。
放水路はトンネルで鶴川と桂川の合流点付近へと抜けており、出口には松留発電所が設けられて落差を余さず利用しています。
(2015-03撮影)
(フェンス越しに撮影しています。フェンス内には絶対に入らない様にお願いします)
水圧鉄管最下部、発電所建屋に入るところです。
(2015-03撮影)
水圧鉄管及び上部水槽を離れた場所から撮影しました。
現在使用されている4条の両端に6台で運転していた頃の水圧鉄管跡が1条ずつ、中央に励磁機用水圧鉄管跡が1条、
右端には圧油作成用、冷却水用と思しき管路が残されています。
また、上部水槽の高さ(深さ)がかなり有るのが判ります。
(2015-03撮影)
調整池となる大野ダム天端の様子です。
(2015-03撮影)
大野ダム天端よりダム堤体下流側を撮影しました。
(2015-03撮影)
大野ダム天端よりダム湖の様子を撮影しました。
(2015-03撮影)
ダム湖左岸側上流より大野ダム堤体上流側を撮影しました。
画像右外には余水吐が設けられています。
(2015-03撮影)
大野ダム余水吐の様子です。
左側へと排水されます。
(2015-03撮影)
大野ダムから発電所への取水口をダム湖側より撮影しました。
除塵機の手前がダム湖です。
(2015-03撮影)
大野ダムから発電所への取水口を導水路側より撮影しました。
一つ上の画像からの位置関係だと除塵機の向こう側から撮影した画像になります。
(2015-03撮影)
木々に蔽われて判り辛いですが、画像中央が桂川からの導水路トンネル出口です。
トップページ>都道府県別水力発電所ギャラリー>山梨県
トップページ>水系別水力発電所ギャラリー>相模川水系
トップページ>ダム、堰別水力発電所ギャラリー>山梨県のダム、堰
2020-09-22所有者情報追加
2018-10-13所有者情報詳細追加
2016-02-14初掲載(2015-03撮影)
Copyright "suiryoku.com". All rights reserved. 連絡先及び注意事項