東京電力リニューアブルパワー株式会社 一之瀬（一の瀬）発電所
所在地：群馬県利根郡片品村東小川
交通：ＪＲ上越線 沼田駅より約４０ｋｍ
特記事項
貯水池となっている丸沼ダムはバットレスダムに於いて堤高、湛水面積、総貯水容量日本一です。
また、発電用ダムとしては初めて国の重要文化財に指定されました。
発電所諸元
- 歴史（途中は抜けている可能性が有ります。？は未確認）
- 所有：上毛電力株式会社［運開］−日本発送電株式会社−東京電力株式会社−東京電力ホールディングス−東京電力リニューアブルパワー株式会社［現在］
- 昭和１２（１９３７）年１２月 ：運用開始
- 昭和１４（１９３９）年 １月１日？：配電統制令により所有者変更（日本発送電）
- 昭和１７（１９４２）年 ４月 ？：配電統制令により所有者変更（日本発送電、第二次統合）
- 昭和２６（１９５１）年 ５月１日：電気事業再編成令により所有者変更（東京電力）
- 平成２８（２０１６）年 ４月１日：社名変更（東京電力ホールディングス）
- 令和 ２（２０２０）年 ４月１日：組織変更（東京電力リニューアブルパワー）
- 発電の区分
- 種別：一般水力
- 発電形式（落差を得る方法）：水路式
- 発電方式（水の利用方法）：調整池式
- 出力
- 認可最大出力：１０７００ｋＷ
- 常時出力： ８６０ｋＷ
- 水量
- 最大使用水量：４．７３立方メートル毎秒
- 落差
- 有効落差：２８１．３０ｍ
- 設備
- 水車：横軸ペルトン水車 出力１３０００ｋＷ×１台
- 発電機：横軸三相交流同期発電機×１台
- 導水路：総延長１８７０．１ｍ、主要導水路 圧力トンネル 幅１．８２ｍ×高１．８２ｍ、延長１８７０．１ｍ
- 調圧水槽：単動式サージタンク 口径６．０６ｍ×高２５．４５ｍ
- 水圧鉄管：内径１５１５〜７００ｍｍ、板厚８〜２０ｍｍ、延長６４８．０４ｍ×１条
- （分岐管：Ｙ分岐）
- 入口弁：ロータリーバルブ
- 放水路：幅３．１１ｍ×高２．００ｍ、総延長３８．７ｍ
- 標高
- 取水位標高：１４０６．３０ｍ
- 放水位標高：１１０９．７０ｍ
- 面積
- 流域面積：３０．４平方キロメートル
- 河川
- 取水：小川（丸沼）［丸沼ダム］→大尻沼
- 放水：小川
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。（一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より）
ダム諸元
- 名称
- 丸沼（まるぬま）ダム
- 歴史
- 昭和３（１９２８）年 ：着手
- 昭和６（１９３１）年９月：竣工
- 種類
- バットレス（扶壁式）鉄筋コンクリートダム
- 大きさ
- 堤高：32.12m、堤頂長：88.23m、堤体積：約14,000立方メートル
- 容量
- 総貯水容量：13,600,000立方メートル
- 有効貯水容量：11,500,000立方メートル
- 標高
- 天端標高：1429.85m
- 満水位標高：1427.88m
- 低水位標高：1399.88m
- 面積
- 流域面積：25.9 平方キロメートル
- 直接集水面積：20.6平方キロメートル
- 間接集水面積： 5.3平方キロメートル
- 湛水面積： 0.675平方キロメートル
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。（一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より）
文化財情報
敷地外及び見学可能な場所から見られない場合でも、絶対に立入禁止の場所へは入らないでください。
国宝・重要文化財（建造物）
- 登録番号：０２４３４（重要文化財）、名称：丸沼堰堤、年代：昭和６（１９３１）年
- 丸沼堰堤は，利根川水系小川の上流域で連珠湖をなす，丸沼と大尻沼の狭窄部に築造された水力発電用貯水池堰堤である。
上毛電力株式会社による丸沼貯水工事の一環として，内務省土木試験所長の物部長穂の設計に基づき，昭和３年着工，昭和６年に竣工した。堤頂長88.2ｍ，堤高32.1ｍのバットレス式鉄筋コンクリート造堰堤である。
厳しい立地及び地質条件の克服のため，資材の減量と躯体の軽量化を実現したバットレス式堰堤として，我が国を代表する遺構である。
大規模かつ技術的完成度の高い構造物であり，近代鉄筋コンクリート造河川構造物の一つの技術的到達点を示すものとして重要である。
本データについては、利用規約に基づいて文化庁様、国指定文化財等データベースより転載しています。
フォトギャラリー
（2003-11撮影）
発電所は見られないので、丸沼ダムのみの撮影です。
丸沼ダム左岸天端付近より下流側支持部を撮影しました。
丸沼ダムの形式であるバットレスダムとは、水面側のコンクリート板（遮水板）を後ろの構造物（扶壁）で支えているダムです。
（2003-11撮影）
丸沼ダム上流側堤体面の遮水板です。
表面はその他の形式のコンクリートダムより緻密になっています。
（2015-06-15画像追加、2014-07撮影）
丸沼ダムの下流側すぐ近くには遊歩道が整備されており、地元の方々により作られたドラム缶の渡し筏が在ります。
画像はそこから撮影しました。
ダム下流は大尻沼となっています。
（2001-12撮影）
丸沼ダムを丸沼発電所付近から撮影しました。
丸沼ダムが丸沼と大尻沼を仕切っています。
一之瀬発電所の貯水池扱いとなっていますが、直接丸沼ダムからは取水しておらず、一旦、大尻沼へと放流して大尻沼から取水しています。
（2015-06-15画像追加、2014-07撮影）
丸沼には観光施設が在り、そこへ向かう道路から丸沼ダム堤体上流側を見ることが出来ます。
コンクリート遮水板表面に塗布されているウレタン塗装が結構痛んでいました。
電力消費の多い夏が終わるのを待って水位を下げ、再塗装が行われると思われます。
（2015-06-15画像追加、2014-07撮影）
上の画像と同じ位置から撮影した丸沼ダム堤体上流側と周辺の様子です。
ちなみに今回撮影した際には以前と異なり、途中で分岐して丸沼発電所へと向かう道は入口で通行止めとなっていました。
かなりの勾配なので観光客が誤って進入し、離脱出来なくなる恐れがある為と思われます。
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2020-09-22所有者情報追加
2018-04-30所有者情報詳細追加
2015-06-15丸沼ダム情報を丸沼発電所ページより移動
2015-06-15初掲載（2001-12、2003-11、2014-07撮影）
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