中国電力株式会社 平作原発電所

所在地:岡山県苫田郡鏡野町上齋原
交通:JR姫新線 院庄駅より約34km、JR因美線 用瀬駅より約29km

特記事項

取水先の恩原ダムは発電用としては日本初のバットレスダムです。
(バットレスダムそのものとしては北海道の笹流ダムに次いで2番目)

発電所諸元

歴史(途中は抜けている可能性が有ります。?は未確認)
所有:中国合同電氣株式会社[運開]−山陽配電株式会社−日本発送電株式会社−中国電力株式会社[現在]
昭和 3(1928)年2月  :運用開始
昭和14(1939)年1月1日?:配電統制令により所有者変更(日本発送電)
昭和17(1942)年4月  ?:配電統制令により所有者変更(日本発送電、第二次統合)
昭和26(1951)年5月1日:電気事業再編成令により所有者変更(中国電力)
発電の区分
種別:一般水力
発電形式(落差を得る方法):ダム水路式
発電方式(水の利用方法):調整池式
出力
認可最大出力:2900kW
  常時出力: 510kW
水量
最大使用水量:2.644立方メートル毎秒
落差
有効落差:143.64m
設備
水車:横軸単輪単流渦巻フランシス水車×2台 総出力3340kW
発電機:横軸三相交流同期発電機×2台
導水路:総延長2555.3m、主要導水路 幅1.52m×高1.82m、延長2187.6m
上部水槽:縦10.80m×横32.73m×高4.15m
水圧鉄管:内径1200〜457mm、板厚6〜20mm、延長367.00m×1条
分岐管:Y分岐
入口弁:スルースバルブ
放水路:幅3.64m×高2.12m、総延長42.7m
標高
取水位標高:721.81m
放水位標高:569.49m
面積
流域面積:9.25平方キロメートル
河川
取水:遠藤川+遠藤原川→吉井川[恩原ダム]
放水:上斉原発電所、吉井川

本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)

ダム諸元

名称
恩原(おんばら)ダム
歴史
昭和2(1927)年:竣工
種類
バットレス(扶壁式)鉄筋コンクリートダム
大きさ
堤高:24m、堤頂長:93.6m、堤体積:30,000立方メートル
容量
 総貯水容量:1,853,000立方メートル
有効貯水容量:1,752,000立方メートル
面積
流域面積:24.1 平方キロメートル
直接集水面積: 9.3平方キロメートル
間接集水面積:14.8平方キロメートル
湛水面積: 0.26平方キロメートル
水門設備等
非常用洪水吐:自由越流頂×1径間
河川維持水放流用:1門

本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)

文化財情報

敷地外及び見学可能な場所から見られない場合でも、絶対に立入禁止の場所へは入らないでください。

国指定登録有形文化財(建造物)

登録番号:33−0130、名称:平作原発電所遠藤川取水堰堤、年代:昭和3(1928)年
吉井川水系発電所施設の最上流に位置する。遠藤川水路の取水堰堤で,堤長18m,堤高3.0m,下流法勾配8分の重力式コンクリート造堰堤とし,右岸には2門の制水門を川と平行に配する。堤体頂部と堤体と水叩きの接続部を曲面状につくるのが特徴。
登録番号:33−0131、名称:平作原発電所遠藤川沈砂池、年代:昭和3(1928)年
遠藤川取水堰堤の右岸に位置する。長さ51m,幅7.3mの鉄筋コンクリート造構造物。水路を川から隔てる西側壁は,川側を花崗岩の谷積で築き,北側壁には排砂門を設ける。流れが早く土砂を含みやすい渓流上流部に構築され,発電用水の効果的浄化を行う。
登録番号:33−0132、名称:平作原発電所遠藤原川取水堰堤、年代:昭和3(1928)年
遠藤川水路に合流する遠藤原川水路の取水堰堤。堤長8.2m,堤高2.4m,下流法勾配8分とした越流式の重力式コンクリート造堰堤で,表面モルタル塗仕上げとした2門の制水門を右岸に配する。長さ7.5mに及ぶ水叩きを一体的に築き,洗掘を防ぐ。
登録番号:33−0133、名称:平作原発電所遠藤原川沈砂池、年代:昭和3(1928)年
遠藤原川取水堰堤の右岸に位置する。長さ55m,幅5.5mの長細い平面形状をした鉄筋コンクリート造構造物で,水路と川を隔てる西側壁の中央部には排砂門を設ける。山の斜面が迫り出す東側と南側では側壁の上に谷積の擁壁を築き,土砂の流入を防ぐ。
登録番号:33−0134、名称:平作原発電所恩原貯水池堰堤、年代:昭和3(1928)年/昭和27(1952)年嵩上
遠藤川取水堰堤より約1.7km北方に位置する。遮水壁を扶壁で支える,堤長94m,堤高24mのバットレス式鉄筋コンクリート造堰堤。「耐震池壁」に係る物部長穂の研究成果をいち早く採り入れ,躯体軽量化と資材減量化が図られた類例の少ない形式の堰堤。
登録番号:33−0135、名称:平作原発電所恩原貯水池堰堤余水路、年代:昭和3(1928)年
恩原貯水池の余水を堰頂右岸より堤体下部の吉井川水系恩原川に導く。延長132m,敷幅約4m規模で,石造擁壁で補強されたほぼ4割勾配の斜面に,鉄筋コンクリート造壁体を立ち上げる。水路の上部と下部で緩やかに湾曲させて水勢を弱める。
登録番号:33−0136、名称:平作原発電所幹線水路沈砂池、年代:昭和3(1928)年
恩原貯水池堰堤より約270m下流に位置する。面積85uで,ほぼ長方形平面の鉄筋コンクリート造構造物。山の斜面が迫り出す西側と南側には,鉄筋コンクリートスラブを張り出して上部を覆い,周辺からの土砂の流入を防ぐつくりとする。
登録番号:33−0137、名称:平作原発電所水槽、年代:昭和3(1928)年
幹線水路沈砂池の約2.3km下流に位置する。長辺約25m,短辺約10m規模,ほぼ長方形平面の鉄筋コンクリート造構造物で,余水路と平行する北側壁の中央には排砂門を設ける。他の構造物と同様,浅野及び小野田セメント社製の良質のセメントを用いる。
登録番号:33−0138、名称:平作原発電所本館、年代:昭和3(1928)年
水槽の約330m下流に位置する。鉄筋コンクリート造で発電機及び配電盤室を収める桁行12m,梁間14m規模の切妻造の建屋に,開閉器室と旧変電器室を収め,北壁に縦長窓をもつ陸屋根の建屋を接続する。機能に即した基盤施設らしい外観を呈する。
登録番号:33−0139、名称:平作原発電所鉄管路擁壁及び本館擁壁、年代:昭和3(1928)年
本館と水槽を結ぶ鉄管路の脇に築かれた延長17mの擁壁と,本館の西側及び北側に築かれた折曲り延長51mの擁壁からなり,いずれも花崗岩の谷積とする。平地の少ない山間部に施設を建設するために必要な構造物で,地形状況に沿って高さを変えた外観。

本データについては、利用規約に基づいて文化庁様、国指定文化財等データベースより転載しています。

フォトギャラリー

発電所建屋及び周辺

恩原ダム及び周辺

遠藤川の取水及び導水設備



2020-10-18所有者情報詳細追加
2017-09-16特記事項追加
2015-06-15初掲載(2014-09撮影)
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