中国電力株式会社 奥津発電所
所在地:岡山県苫田郡鏡野町奥津川西
交通:JR姫新線 院庄駅より約23km
発電所諸元
- 歴史(途中は抜けている可能性が有ります。?は未確認)
- 所有:中国合同電氣株式会社[運開]−山陽配電株式会社−日本発送電株式会社−中国電力株式会社[現在]
- 昭和 7(1932)年2月 :運用開始
- 昭和14(1939)年1月1日?:配電統制令により所有者変更(日本発送電)
- 昭和17(1942)年4月 ?:配電統制令により所有者変更(日本発送電、第二次統合)
- 昭和26(1951)年5月1日:電気事業再編成令により所有者変更(中国電力)
- 発電の区分
- 種別:一般水力
- 発電形式(落差を得る方法):水路式
- 発電方式(水の利用方法):流込み式
- 出力
- 認可最大出力:7400kW
- 常時出力:2200kW
- 水量
- 最大使用水量:8.69立方メートル毎秒
- 落差
- 有効落差:115.14m
- 設備
- 水車:横軸フランシス水車×2台 総出力8060kW
- 発電機:横軸三相交流同期発電機×2台
- 導水路:総延長7113.3m、主要導水路 幅2.73m×高1.82m、延長5937.2m
- 上部水槽:縦3.03m×横14.81m×高10.30m
- 水圧鉄管:内径2000〜930mm、板厚7〜23mm、延長557.56m、2条
- 分岐管:球2分岐
- 入口弁:バタフライバルブ
- 放水路:幅5.00m×高3.10m、総延長59.1m
- 標高
- 取水位標高:494.39m
- 放水位標高:360.73m
- 面積
- 流域面積:102.75平方キロメートル
- 河川
- 取水:吉井川+上斉原発電所→木路川→人形仙川→湯の谷川?→オロ谷川、奥津水槽発電所(羽出川、他)
- 放水:吉井川
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
文化財情報
敷地外及び見学可能な場所から見られない場合でも、絶対に立入禁止の場所へは入らないでください。
国指定登録有形文化財(建造物)
- 登録番号:33−0115、名称:奥津発電所吉井川取水堰堤、年代:昭和7(1932)年
- 岡山県東部をほぼ南北に貫流する吉井川の上流域に位置する水路式水力発電所の施設。岩盤を利用して築かれた堤長34m,堤高3.3m規模の重力式練積堰堤で,越流式とし,右岸側に側面谷積とした曲線状の階段式魚道を付ける。幹線水路の始点となる構造物。
- 登録番号:33−0116、名称:奥津発電所一号水路橋、年代:昭和7(1932)年
- 吉井川取水堰堤より約370m下流に位置し,吉井川に合流する木路谷川に架かる。橋長18m,スパン6.1m規模の,鉄筋コンクリート造の門形バランストラーメン橋を,水路樋と一体的に築く。高さ8.0mの末広がり状の橋脚には水平梁を付加し安定を図る。
- 登録番号:33−0117、名称:奥津発電所一号蓋渠、年代:昭和7(1932)年
- 一号水路橋の下流側に連続して築かれる。ほぼ長方形断面の鉄筋コンクリート造構造物の側壁を,練積,谷積の石造壁体で補強した直線状の延長122mの構造物。中国合同電気株式会社により建設された水力発電所施設の構成要素のひとつ。
- 登録番号:33−0118、名称:奥津発電所木路谷川取水堰堤、年代:昭和7(1932)年
- 一号蓋渠の西方で幹線水路に合流する支線水路の施設で,吉井川右支木路谷川に築かれる。堤長12m,堤高2.7m規模の重力式練積堰堤で,右岸側には鉄筋コンクリート造排砂門を付ける。石積護岸や単アーチの取水口も含め,取水に係る設備全体が良好に残る。
- 登録番号:33−0119、名称:奥津発電所人形仙谷川取水堰堤、年代:昭和7(1932)年
- 一号蓋渠より約500m下流の地点で幹線水路に合流する支線水路の施設で,吉井川右支人形仙谷川に築かれる。堤長4.4m,堤高1.5m規模で,上流側法勾配1分,下流側法勾配1割3分とした越流式の重力式練積堰堤。支渓を利用した発電所施設のひとつ。
- 登録番号:33−0120、名称:奥津発電所三号水路橋、年代:昭和7(1932)年
- 一号蓋渠より約690m下流に位置し,吉井川右支湯の谷川に架かる。鉄筋コンクリート造,3径間の門形バランストラーメン橋で,橋長18m,スパン6.1mとする。上端3.0m,下端2.7mのほぼ台形断面を有する水路樋と一体的に築く。
- 登録番号:33−0121、名称:奥津発電所四号水路橋、年代:昭和7(1932)年
- 三号水路橋より約1760m下流に位置し,吉井川右支オロ谷川に架かる。鉄筋コンクリート造,3径間の門形バランストラーメン橋で,橋長18m,スパン6.1mとし,末広がり状の橋脚の下部工には,連続フーチング基礎を用いる。
- 登録番号:33−0122、名称:奥津発電所オロ谷川取水堰堤、年代:昭和7(1932)年
- 四号水路橋の南方で幹線水路に合流する支線水路の施設で,吉井川右支オロ谷川に築かれる。堤長4.2m,堤高2.1m規模で,上流側法勾配1分,下流側法勾配1割5分とした越流式の重力式練積堰堤。堤体の右岸寄りにアーチ形の排砂口を穿つ。
- 登録番号:33−0123、名称:奥津発電所調整池、年代:昭和8(1933)年
- 四号水路橋より約4.2q下流に位置する。南北に細長い,面積9499uの大規模な高架式の鉄筋コンクリート造構造物。3m間隔のグリッド状に配された柱で底部を支持し,45度傾斜の外周壁体を水平梁で連結された扶壁で支えるという,独特の構法を用いる。
- 登録番号:33−0124、名称:奥津発電所水槽、年代:昭和7(1932)年
- 調整池の南端に位置する鉄筋コンクリート造構造物。調整池から引かれた発電用水の流下水量調節を行う。長辺15m,短辺9mの長方形平面の構造物で,内部には上部に四角孔を付けた隔壁を配して2室に分け,片側を余水路に接続する
- 登録番号:33−0125、名称:奥津発電所本館、年代:昭和7(1932)年
- 水槽から約540m東方に位置する吉井川に面する敷地に,川と平行して建つ。桁行31m,梁間15m規模の鉄筋コンクリート造平屋建一部2階で,屋根スラブを鉄骨ワーレントラスで支える。建物の四周に上下2層の縦長窓を配し,外壁はモルタル塗で仕上げる。
- 登録番号:33−0126、名称:奥津発電所本館擁壁、年代:昭和7(1932)年
- 本館西側に築かれた擁壁と,吉井川との境界に築かれた護岸擁壁からなる。花崗岩を用いた谷積の練積擁壁で,護岸擁壁には高さ0.85mの鉄筋コンクリート造高欄を付け,ほぼ中央に余水路隧道の坑口を設ける。本館と共に近代発電所の歴史的景観を形成する。
- 登録番号:33−0149、名称:奥津発電所会流池、年代:昭和5(1930)年
- 上斎原発電所本館の南方に位置する。延長約160mに及ぶ長大な鉄筋コンクリート造構造物で,川に面する側壁は花崗岩の谷積で補強する。奥津発電所の水路施設の一つで,上斎原発電所水槽からの余水と本館からの放水を取り入れ,用水の有効利用を図る。
本データについては、利用規約に基づいて文化庁様、国指定文化財等データベースより転載しています。
フォトギャラリー
奥津水槽発電所のページにも画像を掲載してあります。
発電所建屋付近
(2014-09撮影)
発電所建屋と放水口の様子です。
(2014-09撮影)
発電所建屋と水圧鉄管です。
水圧鉄管の上の方は奥津水槽へと向かう道の途中で木々の間に所々見る事が出来ます。
奥津水槽付近
(2014-09撮影)
発電所から奥津水槽へと行ってみました。
結構な勾配の道ですので、落葉及び降雪している際は車で上がれない恐れが有ります。
高さこそ15m未満でダム扱いでは無いですが、バットレス構造を用いた堤となっています。
また、扶壁部分の厚みこそ一定ですが、桟の部分は更に厚みを持たせた物部長穂工学博士の耐震バットレス構造と思しき造りとなっています。
(2014-09撮影)
奥津水槽水圧鉄管側です。
画像右下から奥へと延びているコンクリートがバットレス堤の部分、画像中央奥が吉井川からの導水路、その少し右奥が水圧鉄管へと接続されている部分です。
運開当時は調整池式として運用されていたのではないかと思われます。
(2014-09撮影)
奥津水槽水圧鉄管側をアップで撮影しました。
画像中段左端が吉井川からの導水路、画像中段右奥が水圧鉄管へと接続されている部分です。
(2014-09撮影)
奥津水槽山側です。
画像右端が吉井川からの導水路、画像左端は奥津水槽発電所建屋です。
奥津水槽発電所の向こう側まで水槽は続いています。
(2014-09撮影)
奥津水槽の一番奥です。
途中がくびれて手前が少し広くなっています。
画像中段右寄りにコンクリート構造物が見えますが、奥津水槽を設けている谷が画像左下から来ており、その分の貯砂用と思われます。
吉井川の取水堰付近
(2014-09撮影)
吉井川の取水設備全景を下流より撮影しました。
沈砂池が結構広いです。
画像左外には上斉原発電所が在ります。
(2014-09撮影)
吉井川の取水堰を右岸より撮影しました。
自然石と堰堤が一体化しています。
(2014-09撮影)
沈砂池の様子です。
画像中段付近右端付近からの流れ込みが上斉原発電所の放水路です。
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2020-10-18所有者情報詳細追加
2015-07-05初掲載(2014-09撮影)
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