北陸電力株式会社 有峰第一発電所
所在地:富山県富山市亀谷
交通:富山地方鉄道立山線 有峰口駅より約8km
特記事項
一般水力において日本最大出力の水車を使用しています。
発電所諸元
- 歴史
- 所有:北陸電力株式会社[運開]−北陸電力株式会社[現在]
- 昭和56(1981)年7月:運用開始
- 発電の区分
- 種別:一般水力
- 発電形式(落差を得る方法):ダム水路式
- 発電方式(水の利用方法):貯水池式
- 出力
- 認可最大出力:265000kW
- 常時出力: 0kW
- 水量
- 最大使用水量:74.00立方メートル毎秒
- 落差
- 有効落差:411.00m
- 設備
- 水車:立軸単輪単流渦巻フランシス水車 出力266000kW(最大出力270000kW)×1台
- 発電機:立軸三相交流同期発電機×1台
- 導水路:総延長4896.0m、主要導水路 圧力トンネル 口径5.00m、延長4865.0m
- 調圧水槽:差動式サージタンク 口径12.00m×高110.00m
- 水圧鉄管:内径4500〜2250mm、板厚24〜50mm、延長831.00m×1条
- 入口弁:ロータリーバルブ
- 放水路:幅4.00m×高18.00m、総延長10.0m
- 標高
- 取水位標高:1077.00m
- 放水位標高: 637.00m
- 面積
- 流域面積:220.0平方キロメートル
- 河川
- 取水:神通川水系金木戸川+折立、折立増設発電所+和田川[有峰ダム]
- 放水:有峰第二発電所
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
ダム諸元
- 名称
- 有峰(ありみね)ダム
- 歴史
- 大正13(1924)年 :計画
- 昭和11(1936)年 :測量開始
- 昭和13(1938)年 :富山県により着工
- 昭和18(1943)年9月:工事中止
- 昭和31(1956)年9月:北陸電力により着工
- 昭和35(1960)年8月:竣工
- 種類
- 越流型重力式コンクリートダム
- 大きさ
- 堤高:140.00m、堤頂長:500.00m
- 天端幅:6m、下部堤体幅:153m、堤体積:1,568,000立方メートル
- 容量
- 総貯水容量:222,000,000立方メートル
- 有効貯水容量:204,000,000立方メートル
- 標高
- 堤頂標高:1089.00m
- 設計洪水位標高:1088.00m(サーチャージ)
- 常時満水位標高:1088.00m
- 予備放流水位:1087.90m
- 越流頂標高:1081.30m
- 有峰第一発電所取水口標高:1040.00m付近
- 最低水位標高:1015.00m
- 和田川第一、第二発電所取水口標高:1004.00m
- 基礎標高: 949 m
- 面積
- 直接集水面積: 49.93平方キロメートル
- 集水面積:220 平方キロメートル(直接分含)
- 湛水面積: 5.12平方キロメートル
- 水門設備等
- 洪水吐(クレストゲート):テンターゲート×2門
- 河川維持水用バルブ:1門
本データは現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より転載しております。
有峰ダムの画像は和田川第二発電所、有峰ダム発電所のページに掲載してあります。
案内板、記念碑等
有峰記念館 展示資料より(敬称略)
急増する電力需要及びピーク時の需要に対応するため、北陸電力により有峰再開発計画が策定され、
これにより有峰第一、第二、第三発電所が計画され昭和53年4月に3発電所が着工されました。
電力需要の少ない冬期に工事を行う必要がありましたが、水源となる有峰ダムは標高1000m、
気温マイナス20度以下、積雪4mに達する上、道路も5ヶ月は不通という過酷な自然条件に晒されています。
それにもかかわらず300人の人員が越冬し僅か2冬で完成し、日本の土木工事史にその偉業を刻んだのです。
有峰記念館は、有峰ダム右岸の少し離れた所に在ります。(有峰林道小見線より有峰ダムを渡らず直進)
この他、当時の写真やビデオ画像なども展示しており必見です。
(11月上旬〜5月下旬は閉鎖、夏期は富山地方鉄道様により富山駅より路線バス運行)
ムービーギャラリー
ダムウォーキング 有峰ダム(YouTubeへ移動します)
フォトギャラリー

発電所建屋
左上の山の中に水圧鉄管があります。
限られた設置場所を有効に利用するために水車を1台にしたそうです。
また、ここには全く放水口は無く、直に有峰第二発電所へと導水されています。
(2005-08-02画像追加、2005-05撮影)
発電所遠景
右上の雪の残っている場所の真ん中辺りに見える構造物が水圧鉄管と圧力導水路との接続部、
そこより左下の発電所建屋まで水圧鉄管が通っています。

有峰ダム左岸側に設けられている選択取水塔
取水塔に架けられている橋は大型車が通れるぐらい大きいです。
(2013-08-18画像追加、2012-06撮影)
運開当時から使用されていた水車が富山市歴史民族資料館様に展示されています。
屋根にも達する直径4mの水車ですが、出力からすると割と小さく思えるのは落差の為せる業です。
出力は発電専用の水車として日本一です。大きさは奥只見発電所の4号水車の方が大きいかもしれません。
こちらの資料館は有峰林道小見線料金所の近くに在り、有峰探訪の際に併せて見学すると有峰の知識が一層深まります。
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2019-11-18ムービーへのリンク追加
2018-11-10所有者情報詳細追加
2013-08-18画像追加(2012-06撮影)、特記事項(水車の大きさ)修正
2010-10-31画像追加差替(2009-10撮影)及び発電所諸元詳細追加
2008-09-24発電所諸元詳細追加整理
2005-08-02画像追加(2005-05撮影)
2004-12-13初掲載
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