所在地:新潟県小千谷市山本
交通:JR上越線 小千谷駅より約5km
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。
取水先の宮中取水ダムの画像及び諸元はJR信濃川発電所のページに掲載してあります。
NANDRAさんという方が調整池の様子を紹介されています。
この水力発電所は調整池式でも変わった運用を行っているようです。
あくまでも想像ですが図解してみました。
なぜこのような凝った造りになっているのかという点ですが、恐らく
鉄道独特とも言うべき負荷の急増減に対応するために小千谷発電所の使用流量の変化を
千手発電所側に及ぼさない様にするためではないかと思います。
現在では中小火力も出力の増減速度が速くなっておりますし
電力会社との連系も密に行っているようですので建設当時ほどの重要性は無くなっていますが
他に類を見ない土木設備を末永く運用されることを願って止みません。
山本調整池の上部水槽の模式図です。
越流堤は貯水池堤よりも低く造ってあり、導水路仕切はそれよりもかなり低く造ってあります。
(図には描いて有りませんが、上から2番目、3番目の水圧鉄管は逆Y字管にて水槽中央部又はその脇より選択導水出来るようになっています)
低出力時、5基の発電機の内、1〜4基の運転となりますが
千手発電所よりの水量は変わらないため、余った水は越流堤を越えて調整池へと流れ込みます。
小千谷発電所のみ停止時は全ての水が調整池へと流れ込みます。
最大出力時、千手発電所よりの水で4基を動かし、
残りの1基は調整池の水を水路トンネルを通じて導水して運転します。
調整池式水力発電所の上部水槽ウォッチング(YouTubeへ移動します)
(2000-04撮影)
小千谷発電所建屋と屋外変電設備
屋外変電設備の向こうが信濃川で画像中央奥が下流方向です。
屋外変電設備は積雪対策のため全てコンクリート製の架台に設置されていました。
また、画像右外には小千谷第二(新小千谷)発電所があります。
(2000-04撮影)
水圧鉄管です。
上の水門設備が年季を感じさせます。
中越地震後の様子を見て来ました。
(2004-12-30画像追加)
中越地震で地盤が滑ったため、旧道側の橋と道路で1m近い段差が出来ていました。
水圧鉄管も補修を行っていました。
(2004-12-30画像追加)
電柱も地滑りで電線に引っ張られ今にも折れそうな状態です。
(2004-12-30画像追加)
小千谷発電所のすぐ上方にある山本調整池も水が有りません。
(2004-12-30画像追加)
右を見てみると変わった形の塔があります。
調整池の余水吐と水抜きを兼用している設備です。
四角い孔が複数開いていますがサイホン式余水吐の呑口です(2019-09-31情報追加)
(2004-12-30画像追加)
更に右を見てみます。
画像中央及び右寄りに弧を描いている堤が調整池への越流堤です。
越流堤の左側が調整池、右側が上部水槽となります。
また、画像左側の余水吐の塔の手前が窪んでいてそこから右方向に溝がありますが
これは導水路の下を通り抜けています。
(2004-12-30画像追加)
調整池及び越流堤を高所より望む
上の画像の説明で書いてある溝は画像右側のU字状の堤の部分へと繋がっています。
(2004-12-30画像追加)
上部水槽及び越流堤の様子
赤茶色の扉体の水門が千手発電所よりの導水路トンネルの出口、
上部水槽の右側の四角い穴がたくさん開いている堤が調整池への越流堤です。
(2004-12-30画像追加)
上部水槽の様子
中央のU字状の部分が調整池へ接続されています。
U字状の部分の手前が2本、U字状の部分に1本、U字状の部分の向こうに2本、水圧鉄管が接続されています。
(2004-12-30画像追加)
U字状の部分の調整池側の様子
上部水槽の導水部とは離れていて接続されておらず、直接導水部の水が流れ込むようにはなっていません。
(2004-12-30画像追加)
水門設備
メンテナンス用で普段は開けっ放しのようです。
(2004-12-30画像追加)
上部水槽と水圧鉄管の接続部
右下の建物が発電所建屋、その先が信濃川の流れです。
(2004-12-30画像追加)
中越地震の影響で調整池の壁も傾いていました。
(2004-12-30画像追加)
中越地震の影響で道路も陥没し、路肩も崩れています。
(2004-12-30画像追加)
調整池の隣にある慰霊碑付近の土手の天端も中越地震の影響で地割れが生じて養生してありました。
地元の方々の憩いの場でしょうか桜の巨木が植わっています。
平成22年6月9日に水利使用許可が交付されたとの事で見て来ました。
中越地震で特に被害が大きかったと思われる小千谷発電所及び山本調整池の修復後を見たいというのも有り久しぶりに訪ねました。
(2010-07-04画像追加)
信濃川対岸より発電所を望む
発電所後方上部が山本調整池です。
(2010-07-04画像追加)
発電所と周辺の様子
画像左が小千谷第二(新小千谷)発電所、画像右が小千谷発電所です。
(2010-07-04画像追加)
中越地震後、旧道の橋付近は道路側を嵩上げして段差を解消、高欄は撤去して金属製の物に交換、奥2本の水圧鉄管は新しい物に交換、電柱は下部のみ移動、建て替えてありました。
(2010-07-04画像追加)
水を湛えた山本調整池
(2010-07-04画像追加)
水を湛えた上部水槽及び越流堤
(2010-07-04画像追加)
水を湛えた上部水槽
(2010-07-04画像追加)
中越地震後、修復された調整池の壁と道路
(2010-07-04画像追加)
中越地震後、修復された土手