JR信濃川発電所とは、下記の3箇所、合計最大出力449000kWの水力発電所群の総称です。
此処とは別に、東京電力 信濃川発電所が在ります。
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
宮中取水ダムは、日本で初めて全幅に亘って歯型閾[Dentaled sill](読みは恐らく「はがたしきい」)が設けられました。
部分的には宮中取水ダムより先に群馬県の綾戸ダムに設けられています。
ダムの水叩きに設けられている凹凸のコンクリートで、ダム直下流の洗堀(洗掘)を防ぐ働きが有ります。
(実物画像は、揚川ダム、三瀬谷ダムのページに有ります)
中越地震後の様子を見て来ました。
(2004-12-30画像追加)
全ゲートフルオープンの宮中取水ダム
中越地震の後、全発電所が発電を停止していた時の宮中取水ダムです。
左岸(右側)が2門閉まっていますが、導流堤で取水口側に寄せた水を調整するためのゲートです。
(2004-12-30画像追加)
全ゲートフルオープン時の下流の様子
(2004-12-30画像追加)
右岸より全ゲートフルオープン時の宮中取水ダムを望む
右岸側に魚道が設けてあります。
(2004-12-30画像追加)
魚道の様子
幅の広い魚道と幅の狭い魚道の2本立てという珍しい造りです。
(2004-12-30画像追加)
幅の広いほうの魚道のダム上流側の様子
フラップゲートを3箇所設置し、水位によって高さを変えて水勢を弱めるようにしています。
(2004-12-30画像追加)
全ゲートフルオープン時の宮中取水ダム上流側を右岸より望む
ゲート機械室の屋根の頂部が高くなっているのが特徴的です。
手前に水が流れ出す部分が写っていますが幅の狭い方の魚道の取水口です。
(2004-12-30画像追加)
全ゲートフルオープン時の取水口の様子を右岸より望む
ダムのすぐ左手(画像右側)のスクリーン及び外灯が写っている部分が千手発電所の取水口、
画像左側のスクリーン及び水門が写っているのが小千谷第二(新小千谷)発電所の取水口です。
小千谷発電所は千手発電所よりの導水となります。
(2004-12-30画像追加)
全ゲートフルオープン時のダム上流側
信濃川はダム上流側ですぐ左側へ曲がっています。
(2004-12-30画像追加)
取水停止時の小千谷第二(新小千谷)発電所取水口
画像右下に水門があり、すぐに導水路トンネルとなり、小千谷第二(新小千谷)発電所の新山本調整池まで導水しています。
発電を停止しているため、取水口の部分の土砂を取り除いていました。
ショベルカーやブルドーザーが小さく見えます。
(2004-12-30画像追加)
取水停止時の千手発電所取水口
(2004-12-30画像追加)
上の画像の反対側の様子
取水口のすぐ先に沈砂池が設けてあり、此処で流速を落として土砂を沈めます。
(2004-12-30画像追加)
沈砂池を導水路トンネル水門側より望む
沈砂池を抜けた水は画像手前方向へと流れてきて、
導水路トンネルで千手発電所の浅河原調整池へと導水されます。
(2000-04撮影)
2000年4月、初見学の際、小千谷第二(新小千谷)発電所の前に案内施設があったのですが、休みのようで行けなかったです。
その隣に水車のランナ(羽根車)が展示してありました。
中越地震後のすぐ後はこの水車も支持部が崩れて傾いていました。
どこの水車か分かりませんが大体の大きさから3万キロワット程度かと思いますので、千手発電所か小千谷発電所の物かと思います。
(2004-12-30文章修正追記)
平成22年6月9日に水利使用許可が交付されたとの事で見て来ました。
(2010-06-28画像追加)
信濃川に設けてある全発電所の取水先の宮中取水ダム
水利使用許可は交付されていますが休日の為か一部ゲートが開けて有り、
水利使用許可取り消し中、導水路を利用している別の水利使用者へ導水する為に暫定取水を行っていた時と同じ状況のようです。
画像の状態で150〜200立方メートル毎秒程度の河川流量と思われます。
今回、交付にあたり河川維持流量が7立方メートル毎秒から40立方メートル毎秒に引き上げられ、
最初の3年間は更に上乗せした河川維持流量が義務付けられます。
(2010-06-28画像追加)
画像左側に写っている導流堤で画像右側の取水口側に水を寄せて流量が安定するようにしています。
(2010-06-28画像追加)
水利使用標識
情報としては重要ですが写真的には面白みが無いために、通常は標識類の画像は掲載しないのですが今回は敢えて掲載しました。
通常、水利使用許可は20年以上の長期ですが、当該発電所群に於いては許可取り消し処分後の交付という事で5年の短期となっています。
(2010-06-28画像追加)
一部ゲートオープン時の下流の様子
(2010-06-28画像追加)
水が流れている魚道です。
水辺に近づいた所、1年間に亘り河川流量の半分以上の水が流れていたにも拘わらず臭いが鼻に付きました。
長大河川の下流域に位置するので流れてくる水そのものが汚れている訳ですが、
こういった点まで恣意的にダムの責任にされてしまう可能性が高い風潮は危険かと思います。
(2010-06-28画像追加)
魚道では魚類の遡上状況の調査が行われており、魚道上部には調査の為の設備が設けられていました。
(2010-06-28画像追加)
水を湛えた取水口を右岸より望む
(2010-06-28画像追加)
上流の離れた位置より宮中取水ダム全景を撮影
(2010-06-28画像追加)
小千谷第二(新小千谷)発電所取水口
比較対照とする身近に大きさを感じさせる物が無いためか取水停止時の画像よりも小ぢんまりとして見えます。
(撮影地点にフェンスが有りますがフェンス外より撮影しています。
くれぐれも施設内には入らないようにお願いします)
(2010-06-28画像追加)
千手発電所取水口
道路端より撮影しています。
画像左上が沈砂池、画像右が宮中取水ダムです。
(2010-06-28画像追加)
水を湛えた沈砂池
宮中取水ダムに設けられている魚道が改修されているので見学してきました。
(2013-09-24画像追加)
2本在った魚道は3本になっていました。
一番外側の石を敷き詰めてある部分が主に底棲魚及び魚類以外の生物が遡上する部分で自然石スロープ魚道、
中央の幅が広い部分が主に中〜大型魚が遡上する部分でアイスハーバー式魚道、
その間の幅が狭い部分が主に小〜中型魚が遡上する部分で階段式魚道となっています。
折り返し部分も角張っていたのが半円及び四半円となっています。
後は川鵜や鷺などの餌場にされない様な対策が有れば尚良さそうです。
(2013-09-24画像追加)
魚道の折り返し部分より下流側を横から撮影しました。
最も幅の広い魚道には変形アイスハーバー式が用いられています。
中央の隔壁非越流部が直線状になっています。
(2013-09-24画像追加)
魚道の折り返し部分より上流側を上から撮影しました。
こちらの最も幅の広い魚道には標準的なアイスハーバー式が用いられています。
中央の隔壁非越流部がコの字状になっています。
(2013-09-24画像追加)
魚道最上部です。
画像中央少し右上に見える茶色の設備は、フラップゲートが連続しており、水位に応じて角度を変える事によって魚道の流速を抑えています。
(以前も同じ仕組みの設備が在りました)