所在地:群馬県北橘町分郷八崎
交通:JR上越線 八木原駅より約4km
浅野セメント創業者、浅野総一郎氏により開設された発電所で、その名を
奥さんの名前「作」さんの雅号「佐久」から採っており発電所名の由来が非常に珍しい発電所です。
日本で初めて差動型(差動式)サージタンクが設置されました。
当時世界一の高さのサージタンクであり、建替えられた現在でも御当地のランドマークになっています。
本データは一般社団法人 電力土木技術協会様の許可を頂いて水力発電所データベースより転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
4号機取水堰の様子は渋川発電所のページに掲載してあります。
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
綾戸ダムの様子は綾戸発電所のページにも掲載しています。
本データは一般財団法人 日本ダム協会様の許可を頂いてダム便覧より転載しております。(一部は現地案内板、銘板及び事業者様パンフレット等の資料より)
部分的にですが綾戸ダムに日本で初めて歯型閾[Dentaled sill](読みは恐らく「はがたしきい」)が設けられました。
全幅では新潟県の宮中取水ダムが初となります。
ダムの水叩きに設けられている凹凸のコンクリートで、ダム直下流の洗堀(洗掘)を防ぐ働きが有ります。
(実物画像は、揚川ダム、三瀬谷ダムのページに有ります)
群馬県に巨大煙突を見た!〜佐久発電所のサージタンク探訪〜[ナレーション+字幕](YouTubeへ移動します、2022-02-20公開)
ダムウォーキング 真壁ダム[ナレーション+字幕](YouTubeへ移動します、2022-01-30公開)
ダムウォーキング 綾戸ダム[字幕版](YouTubeへ移動します、2021-12-19公開)
(2003-10-24画像追加)
利根川越しに発電所建屋とサージタンク、水圧鉄管を望む
サージタンクの巨大さに圧倒されます。
向こうには赤城山が見えます。
土木学会附属土木図書館 所蔵 不許複製
(2004-07-19画像追加)
運開当時の佐久発電所の様子です。
現在のスマートな印象(大きさは凄いですが)のサージタンクに比してジョンソン差動型サージタンクがその形状において存在感を誇っています。
また、放水口の広瀬桃木用水(広瀬川)は覆われていないです。
水力発電の仕組みのサージタンクのコーナーも御覧ください。
(2003-05-02画像追加)
発電所建屋
1〜3号機の水圧鉄管が建屋へと延びています。4号機はその右です。
建屋向こうのグランドの下に放水路となる広瀬川があり、更にその先に利根川があります。
(2003-05-02画像追加)
4号機の上部水槽
水門の向こうに発電所建屋があります。
(2003-10-24画像追加)
立軸フランシス水車
米国アリスチャーマース[Allis Chalmers]社、昭和3(1928)年2月製造
最大出力:26900kW、有効落差:118.89m、
最大使用水量:25.2立方メートル毎秒、回転速度300rpm
運用開始当時使用されていた水車が展示してありました。
(2003-05-02画像追加)
サージタンク
近くに来ると迫力があります。
向こうには榛名山が見えます。
(2003-05-02画像追加)
サージタンクと水圧鉄管の接続部
(2003-05-02画像追加)
水圧鉄管は向こうの真壁貯水池より延びています。
桜並木の中を通るのはこの画像の手前側になります。
(2003-05-02画像追加)
昔の水圧鉄管が展示してありました。
右手に見えるのは昔のサージタンクの足の一部と頂部の飾りをくっつけて作ったオブジェです。
この水圧鉄管のリベット打ち機(ブルリベッター)を作成した米国シカゴに在るハンナ社[Hanna Corporation]について。
(案内板ではシカゴハナン社となっていますが、誤記では無く、当時のカタカナ英語に於いてはこの様な表記を採っていたと思われます)
1893年にハンナ[Elmer E. Hanna]氏が水門の鉄工所として創業、その後シリンダーの製造を始めます。
1903年にリベッターの発明及び特許を取得し製造を行っていましたが、熔接技術の発達により
リベットの需要が大幅に減少したため、シリンダー製造に特化、現在でも[Hanna Cylinders]ブランドで製造を行っています。
(参考:ハンナ社ウェブサイト)
(2003-05-02画像追加)
真壁ダムと連絡水槽
導水路は真壁調整池地下を通って連絡水槽へと連結、連絡水槽は水圧鉄管に接続されています。
使用水量が少ない時や運転を停止している時は連絡水槽から真壁調整池へと流れ込んで貯水、
使用水量が多い時は真壁調整池から連絡水槽へと流れ込み、地下導水路の水と併せて発電所へと送られます。
貯水量70万立方メートルに対し1〜3号機の最大使用水量が69立方メートル毎秒なので
最大出力運転時で2時間50分(真壁調整池の水のみを使用した場合)を賄う水を蓄えている事になります。
土木学会附属土木図書館 所蔵 不許複製
(2004-07-19画像追加)
関東水力電気株式会社佐久発電所
真壁貯水池
貯水容量 30,000,000立方尺
MAKABE REGURATING RESERVOIR,
30,000,000 sq, ft capacity for
SAKU POWER STATION,
KANTO HYDRO-ELECTRIC COMPANY.
運開当時の真壁貯水池(調整池)の様子です。
現在とほとんど変わっていない印象を受けます。
土木学会附属土木図書館 所蔵 不許複製
(2004-07-19画像追加)
調整池堰堤51尺型断面
昭和3年6月11日
建設当時の真壁貯水池の堤体断面と建設の様子です。
(2003-05-02画像追加)
真壁貯水池の様子
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
発電所より数キロ上流の利根川にある綾戸ダムで1〜3号機分の取水をしています。
綾戸ダム堤体の上流すぐ左側が取水口です。
(2001-08-11画像差替)
2001年頃の綾戸ダムと取水口の様子
画像右端の群馬用水取水口の機械室が現在とは異なっています。
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
取水口付近の様子
画像中央付近及びそこから右手に延びているのが佐久発電所の取水口及び導水路、画像下部は綾戸発電所の取水口です。
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
綾戸ダム天端の様子
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
綾戸ダム魚道付近の様子
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
沈砂池の様子、画像右側が綾戸ダムです。
下の建設当時の画像(撮影位置が違いますが)と比べると木々が育っており、さすがに全体を見渡せるまでは行かないです。
土木学会附属土木図書館 所蔵 不許複製
(2004-07-19画像追加)
関東水力電気株式会社佐久発電所
沈砂池 長600尺 幅180尺
平均水深20尺 面積2170坪
運開当時の綾戸ダム至近の沈砂池を綾戸ダム付近より撮影した様子です。
画像奥が下流方向です。
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
高台より綾戸ダムを撮影
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
高台より綾戸ダムと周辺の様子を撮影、下の運開当時の画像風にしてみました。
綾戸ダムを建設当時と比べると、主ゲートがローリングゲートから(斜め引上げ)ローラーゲートへ変更され、材木流しが在った部分に綾戸発電所が設けられています。
土木学会附属土木図書館 所蔵 不許複製
(2004-07-19画像追加)
関東水力電気株式会社佐久発電所
取入堰堤及び沈砂池全景を下流山上より見る
運開当時の綾戸ダム及び沈砂池を付近の高台より撮影した画像です。
手前が下流、利根川右岸(左側)に単線の上越線と三国街道が見えます。
(2013-07-12画像追加、2012-04撮影)
綾戸ダム天端から上流を望む
佐久発電所の取水以外に群馬用水(独立行政法人水資源機構様)の取水も行われています(画像左側の設備)